「今の”ビートたけし”としての芸人としての教えや生き方が見える」浅草キッド あかねちんさんの映画レビュー(感想・評価)
今の”ビートたけし”としての芸人としての教えや生き方が見える
“お笑いBIG3”の1人ビートたけしのフランス座での下積み時代から、漫才ブームで駆け上がるまでの北野武と師匠である深見千三郎との日々を描いた作品。
常に芸人ならボケて笑わせる師匠の教えを今でもやり抜くたけしさんの姿勢に、この映画から今の”ビートたけし”としての芸人としての教えや生き方が見えたような気がした。
そして最後の最後まで師匠も何を言われても、師匠が笑いでおとすところに芸人としての1本筋が通っており観ていて気持ちよく感動した。
いま無茶苦茶やっているたけしさんにも、下積み時代があり、初舞台があり、こんなにも最初はおどおどしていたかと思うと初々しさとその新鮮さが微笑ましいなと思った。
またお笑い芸人の人生を描いた映画だが、序盤は芸を磨くためタップダンスに勤しむシーンはミュージカルを観ているようでよかった。
本作にはお笑い芸人なら為になる名言がたくさん出てくる。また芸の道だけでなく、自分と真摯に向き合うことを教えてくれると思った。
個人的に歌の「浅草キッド」が好きなので2回も流れてよかった。特に2回目の歌に合わせてフランス座を歩きながら回想する長回しのシーンは良いなぁとしみじみ思った。東洋館の昔の歴史の一部を通して笑いの1つの歴史をみれるのも良かった。
芸人の養成所が増え、師弟関係での芸の教えが少なくなる今、こんな2人のような師弟関係の芸人は今後生まれてくる機会が少ないのかな…と思うと少し悲しさを感じた。
“鯨を食って、芸を磨く”浅草の捕鯨船に足を運びたくなった。
ビートたけしの大ファンである監督・劇団ひとりのビートたけしへの尊敬と愛が観られる作品だなと思った。
お笑い好きなものとして観てとても良かったと思えた。
M-1やそのアナザーストーリーの時にネトフリがうったCMも芸人に向けたメッセージになっていてとてもよかった。