スナイパー・フロム・MI6のレビュー・感想・評価
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大義の危うさ
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邦題は間違いではないが、スナイパーと言う程の見せ場は無いし、MI6と言う割には独断専行のボスが牛耳る暗殺組織、罪もない市民まで巻き添えにして平然と居直っている様は殺人狂。とても007でお馴染みの秘密情報機関とは思えません。
9.11以降イスラムのテロ組織殲滅は欧米の報復と見做されがちですが、本作はどっちもどっちのスタンスで大義の危うさを冷やかに描きます。2018年のサウジアラビアの記者殺害事件まで持ち出してサウジ王室の腐敗と欧米との癒着まで踏み込んで言い切るのには驚きました。
MI6のボスが軍にテロリスト殲滅作戦を命じますが、ボスの娘レアと息子ポールをチームに加えるよう指名するのもおかしな話、普通はそんな危険な任務に行かせたくないのが親心と思うが、大義の前には私心を捨てるアピールか、どうやらスナイパーのレアは後妻の連れ子らしい。ドイツ映画なので説明描写は省かれているが、この親子、兄妹関係はかなり訳ありのようです。
したがって、特殊部隊の戦闘シーンはあるものの見どころという程ではない、主題はどうもレアの変節と兄ポールとの確執のようだ。
かなり作家性の強いサディスティックな映画なので好みが分かれると思われます。
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