「手頃な恐怖体験」ズーム 見えない参加者 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
手頃な恐怖体験
コロナ禍における新たな生活様式で、web会議というワードをよく耳にする様になった。本作はそのツールとして使われた「Zoom」にスポットを当てた作品だ。元々ネットに上げられたイタズラ動画がネタとなっている様だが、上映時間はたったの68分。そのうち最後の「オマケ映像」が5分程なので、賞味1時間位だ。
ロックダウン中というのが前提のストーリーであり、皮肉っぽいが現実に起こっているというのが面白い。また、チャット画面がそのままスクリーンに映し出される構成で、画面がフリーズしたり、音声が途絶えたりなど実際に起きるであろうトラブル等がリアルで良い。フリーズしたままだったり、フレームアウトしたきり戻ってこないと少なからず待っているこちらは心配になるものだが、その心理をうまく利用していると思われる。
本編が短いせいなのか、冒頭は他愛もない雑談から入り、これが30分近く続くため、序盤は観ていて若干苦痛を感じた。そして、いよいよ霊が悪さをする時には、阿鼻叫喚の地獄絵図であり、怒濤の如く登場人物らを殺害していく。この肝心なパートがサクッとし過ぎており、連続で人が悪霊に始末される様を見させられている様にさえ感じる位だ。構成と上映時間上仕方のない事だが、物足りなが残ってしまう。そこが残念である。
だが、悪霊はかなり怖い。慣れていても不意打ちは流石にドキッとする。本作は1つのアトラクションとして楽しめば、かなり満足のいく作品だろう。
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