「香港デモについての、現時点で最もリアルな日本語ドキュメント」香港画 ネリ98さんの映画レビュー(感想・評価)
香港デモについての、現時点で最もリアルな日本語ドキュメント
アジアでトップレベルだった香港の「自由」と「市民社会」が、「当局」によっていとも簡単に破壊された。当局は、かつては名実ともに市民の味方だったにもかかわらず、だ。
自由な香港を知る者にとって衝撃的に過ぎる事件だが、一方で、それを知らない者にとっては対岸の火事に過ぎないようだ。このことは、東日本大震災のあれ程の衝撃が、近畿以西の少なくない日本人にとって他人事だったことを想い起こさせる。
このドキュメンタリー作品は、そのような「無関心層」に向けて作られていると、個人的に思う。香港で起きたことが東京や大阪で起こらないと、なぜ言えるだろう??日本人がそのことを考えるために、日本語で綴られたこの作品は、殊のほか役立つのではないか。
香港政府の暴虐の背後で中国政府が踏ん反り返っているなら、香港の危機を知ることは、明日の日本とアジアの危機を知ることにもなるはずだ。香港の「普通の若者たち」は当局の裏切りにどう立ち向ったか。この作品を通じ、改めて刮目しよう。
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