劇場公開日 2022年1月29日

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「"空白"に匹敵する好演出」誰かの花 サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5"空白"に匹敵する好演出

2022年2月18日
iPhoneアプリから投稿

2022年劇場鑑賞11本目 傑作 75点

当サイトにて昨年から情報を得ていて楽しみにしていた作品。

2022年、劇場鑑賞12本目にして暫定トップになりました。

テイストは予想通り昨年話題になった映画空白に近い。

空白とは違うあすなろ会という同じ状況にいる人たちが各々思いを吐く場所があったり、団地での距離感だったりと空白よりより密な空間で描かれている風に思えた。

個人的に一番感銘を受けたのは隣人のお子さんが主人公に向けて、ネクタイの結び方を教えて、やある人が重体で搬送された病院で主人公とその奥さんが喫煙所で鉢合わせた際に奥さんの口から重体だそうですと一言。この二人は確かこのシーンが初対面の場面でそのセリフに主語がないところなど。。

うまく説明できませんが、要は主語や本来伝えるべき命題を伏せての表現が随所にされていて、映画としての品の高さを感じたのと同時に、昨今邦画ではわかりやすさに比重を置きすぎている傾向にあるのでセリフ過多で、当方映画を観に来ているので絵や表現で伝えてくれと思うタチなので、こういった表現に長けている作品はもちろん、脚本家や監督も大いにたたえたい所存です。

上映前に劇場のスタッフが今作の説明をしてくださり、より好きになりました。

劇場も本数も限られていますが、是非観て欲しいです。

サスペンス西島