「パパはストーカー」ストーカー 3日目の逆襲 レントさんの映画レビュー(感想・評価)
パパはストーカー
というよりシリアルキラー。家族には出張と偽り、旅先で女性を山小屋に監禁して慰み者にしては殺害を繰り返していた男。
「ブレーキダウン」や「ミスターブルックス」など、普通の善き家庭人が裏では冷酷な犯罪を繰り返していたという、人間の持つ業というものを見事に描いていてなかなかぞっとさせられる作品も多い。
監督は知るひとぞ知るピーター・ハイアムズの息子ジョン・ハイアムズ。あのユニバーサルソルジャーの続編を二作続けて監督した凄い人。
本作は始まりは「激突」よろしくストーカードライバーに付きまとわれる気味の悪さ、そこからの拉致監禁、そして脱出、大自然の中を決死のサバイバルと内容は盛りだくさん。自然も美しく、ディカプリオの「レヴェナント」を彷彿させるも、作品的には薄味に仕上がってます。
ただ、作品のネックとなる悪役のキャラは申し分なし。生理的嫌悪感たっぷりの最低最悪のクズ野郎をこの見知らぬ俳優さんが見事に演じてます。タイトルでネタバレしてるので物語の展開は特に意外性ないです。邦題でのネタバレはほんと勘弁してほしい。
女性一人での長距離にわたるドライブ、ただでさえ心細いのにジェシカは夫を亡くしたばかりで傷心の身、そんな彼女がいかにも見た目からしてKKKのメンバーのような白人至上主義者的な面構えでどう見ても怪しい男に付きまとわれるわ、拉致監禁されるわ、いまだ癒えていない心の傷をほじくり返されるわ、逃げても逃げても追ってきて、足に木の枝は刺さるわ、銃で撃たれるわで、散々な目に会います。
それだけに終盤はリベンジで相手を痛い目に会わせて観客の溜飲を下げてくれるんだろうと期待。奥さんにチクるのは良かったけど、結局は殴り合いの力業で決着。もう一味ほしかった。
最初から最後まで特に意外性もないけど鑑賞中は楽しめる。主人公の女優さんもめちゃくちゃ魅力あるわけでもなく、かといって全然魅力ないわけでもない。配信で見るにはちょうどいい塩梅の作品。