「タメにタメてあの声では・・・」岬のマヨイガ よしさんの映画レビュー(感想・評価)
タメにタメてあの声では・・・
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震災に見舞われた海辺の街を舞台に、行き場を失った二人の少女と、その二人に寄りそう不思議な老婆を描く物語。
ファンタジー要素を含んだヒューマンドラマですね。
不幸な生い立ちの少女。二人の心に根ざす「何で私だけ」という負の感情が、老婆と触れ合うことで少しづつほぐれていく様子がとても丁寧に、暖かく描かれています。
そして、その物語に「ふしぎっと」達が上手にアクセントを加えて、物語を盛り上げていきます。
動きはそれ程でもありませんが、キャラは丁寧。特に美術背景は世界観に即してとても良く描かれていて好印象です。
ラストのバトルシーンは少し付け足し感があったのが残念。本来は、その前のシーンをクライマックスにしても良かったように思います。父親(?)に連れ去られそうになるユイを、必死に声を出して守ろうとするひより・・・とても感動的なシチュでした。
ただ、とても残念だったのはこのシーンのひよりの声。
キワさんを演じた大竹しのぶさんも、ユイを演じた芦田愛菜さんも、流石の演技力。本職の声優さんがいないこともあり、違和感を感じることはありませんでした。
しかし、一番大切なシーンで初めて聞くひよりの声は、折角のクライマックスを台無しにしてしまいました。棒読みですし、何より小学2年生に感じられません。一番大切なシーンで、一番大切な声がそれですから、それまでの積み重ねが台無しです。
別に女優さんを使うな・・・とは言いませんが、しっかりとオーディションをして、出来る女優さんを選んで欲しいと思います。
私的評価は4.5・・・のつもりでしたが、4に下げさせて頂きました。
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