「ステージマザーと聞くといまだに宮沢りえを思い出してしまう」ステージ・マザー カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
ステージマザーと聞くといまだに宮沢りえを思い出してしまう
ドラァグクイーンになった息子リッキーが店の舞台で急死してしまい(ドラッグ中毒が原因)、知らせを受けた長年疎遠だった母親のメイベリンが夫の反対を押しきり、テキサス州からサンフランシスコに単身で葬儀に駆けつける。教会での葬儀は仲間により取り仕切られ、まるでお店のショータイム。ダブルショックで途中退席してしまう。そこへたまたま通りがかったのが、ルーシー・リュー扮するリッキーの親友のシングルマザーのシエナ。かわいい男の赤ちゃんも中国系でしたが、名前がリッキー。シエナの部屋で生前の息子のことを聞いたり、子供のお守りをしながら、親しくなってゆくメイベリンとシエナ。シエナの子供の父親はリッキーの盟友だったネイサンらしい(バイかな)。後々、ゲイバーはリッキーとネイサンの共同経営で、名義も協同だったことが判明。メイベリンに相続権があると言われるが、店の経営はリッキーの死以来、苦しくなるばかりで、ネイサンはリッキー名義で借りているアパート代も払えないと言うのだった。息子が愛した店を復活させることを使命と感じ、夫に電話して、リッキーの通帳にかなりの額を振り込んでもらう。本人が死んでしまっているので、口座は閉鎖されてしまい、おろせないはずなのに、映画なのでお金がおろせて、店の復興資金に使われる。観光客を取り込むことを考えつき、チラシを作ってホテルに出向く。受付のボーイはこんないかがわしいものは置けないと、チラシを投げ返し、床にばらまかれてしまう。偶然、そこへ通りがかった支配人の紳士がチラシを拾ってくれる。メルベリンのテキサス訛りに気が付いた彼もテキサス州出身だった。なぜか、おいらくの恋に発展。お店にきてショーの素晴らしさを確かめてと言われ、店を訪れた老紳士は新しくなった店のショーを気に入り、ホテルの客に向けた夜のツアー企画でバックアップしてくれることに。店は以前の賑わいを取り戻し、経営はどんどん順調になってゆく。
重要キャストのひとりがドラッグに依存することを知ったメイベリンが彼のアパートに泊まり込んでまで息子と同じ顛末にならないように支援し、彼もそれに応えて克服する。ちょっとええ話し。
しかし、ロサンゼルス滞在が長引く彼女をよく思わない夫がいた。彼は息子を死んだあとでも受け入れ拒否を通すのだった。彼女と夫の間には深い溝が。そして、夫のことを弱腰で前に踏み出せない小さい男とバッサリと斬るメイベリン。結局、店の経営はネイサンに譲り、売上の20%をもらうことにして、テキサスに戻るのです。彼女のしたたかさにちょっと笑わされました。
テキサス魂のメイベリンがゲイの息子をどう思っていたかが、結構あやふやなので、夫だけ悪役みたいな落ち着きかたにはちょっとだけ違和感感じました。
ステージマザーと聞くと、いまだにサンタフェの宮沢りえを思い出します。貴乃花も宮沢りえと結婚していたら未来は変わっていたかな? 宮沢りえは今とても幸せそうなので、よかったと思いますけど。
ジョアン役のアリスター・マクドナルドがいちばんお気に入りでした。昔よく行ったゲイバーのショーを思い出していました。
音楽ミュージカル映画としては、かなりよかったと思います。