「いやー堪んない雰囲気!」サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス でゑさんの映画レビュー(感想・評価)
いやー堪んない雰囲気!
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サン・ラー自体はジャズが昔から好きと言う事もあって知ってはいたが
こんな映画があるとは知らなかった。
もうオープニングの宇宙船が出てくるところから
もう堪らない雰囲気。
全体的に安っぽくておもちゃの様で完全な三流映画。
当たり前だけどこのノリを楽しめる人じゃないと
本当にクソ映画なんで見て後悔すると思う。
ただ一点そんなクソ映画の中にも真実があって
サン・ラ(昔から知っている人達はこうやって呼ぶ)の目が笑って無いのだ。
黒人が昔人類を支配していたとかアメリカ黒人達の公民権運動の主張の様なものを映画の中で聞く。
そして地球を捨てようとわりと本気でサン・ラは呼びかけている。
その激しい主張の中にフリージャズの混沌としたサウンドが流れて
もう何がなんだか分からないくらい圧倒される。
ツッコミどころ満載、何処かギャグ化している様にも見える。
ただやっぱりサン・ラの目は笑っていない。
最高に愛すべきクソ映画なのだけど
その本気度が恐ろしくもある。
なんでも彼はミュージシャンでありながら
彼の支配下にあるアーケストラのミュージシャンと
共同生活を共にしていたらしい。
宗教で共同生活をしていたと言う話を聞くと
過去の禍々しい事件を思い出したりもするが
そんな怪しげな雰囲気を感じたりもする。
どことなく雰囲気がアレサンドロ・ホドロフスキーのエル・トポに似ている。
意外とこの映画色んな意味で大傑作なんじゃないかと思ったりもする。
退屈で稚拙な作りの映画だけど好きな人には堪らないと思う。
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