「映画に救われて生きていた人たち」浜の朝日の嘘つきどもと じぇんぬさんの映画レビュー(感想・評価)
映画に救われて生きていた人たち
人気のなくなった小規模映画館をひとりの若者が立て直す話かと思いきや
”東日本大震災”や”コロナ禍”と苦しく困難な状況と共に生きた人間ドラマだったりもする。
正直単館系(ミニシアター)の上映ラインナップは偏りがあるし、利用頻度は少ないけど
経営している方々の想いやコミュニケーションが生まれやすい”居場所”としての価値が高いと感じました。
映画って観た”場所”、一緒に”観た人”、観た時の”気分”で印象はガラッと変わるもの。
主人公の茂木莉子(もぎりこ)は震災後の心が安定しない時期に、恩師と観た作品により
映画をひとつの”拠り所”として見始める。
映画は人を救えないけど、人と人を繋げるツールにもなるし
大切な思い出と引き合わせてくれるモノだったりするから大切にしていかないとね。
キャスティングの良さはまちまちかなと感じます。
主演の高畑充希さんや落語家の柳家喬太郎さんの掛け合いはまるで本物!
25歳の女性が「ねえ、ジジイ」口の悪い所が新鮮かつマッチしてて親近感がわきますね(笑)
恩師役の大久保佳代子さんは、テレビで見るまんまって感じです。
だからか変に表情を作るシーンは違和感が残ります…でも型破りな先生イメージ像にぴったり。
ベトナムの留学生チャン・グオック・バオは日本人じゃなくてよかった気がするな…
でも彼のシーンには気持ちが入っていて泣かされてしまった。
映画館と主人公を繋ぐストーリーというよりは、
”映画が引き寄せてくれた数奇な人生”を見ているシーンが多いので結構ヒューマンよりかも。
「映画みたいなこと起こらないかな~~」から続く展開は、”映画”を扱っている作品だからこそやってもイイ演出だと思います!
これはこれで(・∀・)イイ!!