「復興か新興か」浜の朝日の嘘つきどもと h-nagisaさんの映画レビュー(感想・評価)
復興か新興か
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「閉鎖予定の寂れた○○(映画館)を復活させる」という展開はもう散々やり尽くされた感があり、陳腐にさえ感じます。
エンディングまでの大どんでん返し等で強烈なカタルシスがないと、正直いってキツいんじゃないかな…?って思いながら観てました。
大久保佳代子が出てなければ、見る価値の低い映画のような気がしました。
ただ、映画館の存続が決まり、モギリコと支配人が語らう、ラストシーンは新たな視点の切り口が盛り込まれており、個人的にはとても良いシーンだと思いました。
そこのシーンでは、(映画のなかでは敵役の)開発業者によって、地元密着の経済対策としても再現性の高い大型施設が建設されるはずだったのが、さまざまな人々のノスタルジックな善意によって朝日座を存続させることになり、それに対して、二人が「ホントにこれでよかったのかな?」「これでよかった、って風にこれからしなきゃいけないな」みたいな会話を交わします。
映画館を存続させ、慣れ親しんだコミュニティを再生される「復興」を選び、大型施設を建設し、より経済的に利のある循環性を実現させる「新興」を選ばなかった(映画では他の土地に建設する)ことに対して、課題を放り込んできていました。
「思い出のつまった映画館が資本の波に飲み込まれなくてヨカッタ、ヨカッタ」
とは単純になってない感じで、私にはそこが好きでした。
ただ、もっと福島に縁のある俳優さんを使って欲しかったなぁ。
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