「村上春樹的映画」ドライブ・マイ・カー バラージさんの映画レビュー(感想・評価)
村上春樹的映画
原作は村上春樹の短編集『女がいない男たち』に収録されている同名の短編で、発売された時に買って読んだが、内容はほとんど忘れた。短編小説だから映画の原作としては量が足りないということで、同じ短編集に収録されている『シェエラザード』と『木野』も一部使われてるらしいがそっちも内容は忘れてる。『東京奇譚集』以後の短編集は『神の子どもたちはみな踊る』以前の短編集と違ってどうも印象に残ってない。
3時間近い長尺の映画だが、観ていて長さはほとんど感じなかった。序盤の妻が死ぬまでがちょっといまいちノレなかったが、舞台が広島に移り多言語演劇の話になってからは面白かった。役者たちも多国籍な人たちも含めて、みんな好演でした。多言語演劇は原作にはない要素のようだが、それでも全体的にちゃんと村上春樹っぽい映画になっていた。ただし映画は上映時間の長さのためもあってか、短編ではなく長編小説っぽい雰囲気だった。ただ面白いことは面白かったが、傑作!とか断トツ!とかいうまでではなかった。なかなか面白かったというぐらいの映画でした。
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