「注目の映画監督」ドライブ・マイ・カー ぼっちさんの映画レビュー(感想・評価)
注目の映画監督
このようなタイプの映画は初めて。
何か上質な文学作品を読んでいるような気持ちになる完成度の高い映画。
多言語での読み合わせ、亡き妻がカセットテープに吹き込んだ朗読を聴きながらのドライブ、美しいゴミ処理場、印象的な場面がたくさんある。
全体的に夢の中の出来事のような、不思議な心地よさを感じ、退屈することなく最後まで見ることができた。淡々とした語り口で物語がゆっくりと進む。
演出家兼俳優の家福とその運転手の寡黙な女性みさき。二人とも過去に大事な人を亡くし、家福は、自分のせいで妻を死なせてしまった、みさきもまた自分のせいで母を死なせてしまったと心に傷を負っている。
ドライブでの会話でお互いが誰にも言えなかった心の闇を告白することによりその闇が少しずつ晴れていく。
この難解で重厚な話の感想を言語化する能力が残念ながら私にはないが、世界基準の日本映画を見れたことに満足度は星5つ。
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