「深淵な心の物語」ドライブ・マイ・カー Jun Tanakaさんの映画レビュー(感想・評価)
深淵な心の物語
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久しぶりに深淵な人間ドラマを観たような気がする。
カセットで吹き込まれた妻の声は、一方的に流れてくるが、それに呼応して家福が自分のセリフを吐くと、なぜか夫婦の会話のような感じさえする。家福は、妻と分かり合えずに終わった。その後悔と喪失感は、一生付きまとうかもしれない。しかし、妻がいない今、一人称的に自分自身を見つめ直すしかない。誰しも100%分かり合える仲などないのだから。節々に自己投影した作品だった。
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