愛してるって言っておくねのレビュー・感想・評価
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幽霊や生き霊や地縛霊が活躍し家庭を癒し再生させる物語
銃撃事件で10歳の一人娘を失ったアメリカ人の家族の再生の物語。セリフのない短編アニメ映画。物語はパパとママの二人っきりの食事の場面からスタートする。ママは娘の好きだったスパゲッティを作り娘の思い出話をしようとするがパパは乗り気ではない。やがてふたりは娘の死の原因を押し付け合い険悪な雰囲気になる。そのとき、亡くなった娘の思い出のおもちゃが勝手に動き始め娘の幽霊が登場する。娘の幽霊は両親の背後に出現した両親の生き霊とともに崩壊しかけている家族を再生させようとする。
点数:3.5。お勧めします。幽霊や生き霊や地縛霊たちの活躍する姿に感動します。幽霊や生き霊や地縛霊が崩壊しかけた家族を復活・再生させようと活躍する。人類の再生(リサイクル)という壮大な素晴らしいテーマ性を感じる。アニメ映画「火垂るの墓」(1988年)と同様に地縛霊や生き霊や幽霊が登場するので両作品は似ている。夏に墓参りをしたような鎮魂歌を聞いたようなおごそかな気持ちになれる。銃撃事件で10歳の一人娘を失ったこのアメリカ人の両親の悲しみは娘の生前の幸せな思い出によって癒されるのだがその過程が丁寧に描かれている。
タイトルの「愛してるって言っておくね」の意味は娘の小学校で銃撃事件があったという知らせを聞いた両親が返事のない娘のスマホに最後に送ったメッセージである。この文は両親が事件に遭って怖がっているであろう娘を励ましそして希望をもつように言っている。そしてもしも娘が亡くなっていても天国にいる娘にも意味が伝わるようにもしている。「愛してるって言っておくね」の文は二つ以上の意味が込められている。アメリカ語はさすがに語彙が豊富であると思った。私ならこういう場合は「生きていたら連絡してください。」みたいな単純な文にしてしまうと思う。コミュニケーションのでのことば選びは大切であると思った。スタジオジブリのアニメ映画「火垂るの墓」(1988年)は太平洋戦争末期に空襲で家と両親を失った14歳の少年と4歳の妹の少女が栄養失調で亡くなる話である。この「愛してるって言っておくね」はアメリカの小学校での銃乱射事件の話であるが、子供を失う悲しみというのは共通であると思った。「火垂るの墓」で悲しむのは妹の節子を失った兄の清太と視聴者である私たちである。兄の清太の悲しみは清太自身も栄養失調で亡くなって地縛霊となり節子の幽霊と再会することで癒されるが、私たち視聴者も二人の霊との出会いによって悲しみが癒されるのだと思う。「愛してるって言っておくね」は両親の生き霊と娘の幽霊が崩壊しかけた家庭を癒し再生させる。幽霊や生き霊や地縛霊は家庭を守ってくれる存在だと思う。
幽霊とは:
幽霊(ゆうれい)とは、一般的に死者の霊や、成仏できなかった魂の姿を指します。特に、この世に未練や恨みを残して亡くなった人が、幽霊となって現れるという伝承が多いです。(AI回答より)
生き霊とは:
生き霊とは、生きている人の強い念や感情が、霊的な存在として体外に出て、他人や周囲に影響を与える現象のことです。嫉妬、怒り、執着などの強い感情が、生霊となって現れることが多いとされています。(AI回答より)
地縛霊とは:
地縛霊とは、特定の場所や物に強く執着し、そこから離れることができない霊のことです。主に、事故や事件で亡くなった人、または強い恨みや未練を持って亡くなった人が地縛霊になるとされています。(AI回答より)
視聴:液晶テレビ(有料配信NETFLIX) 初視聴日:2025年6月11日(2か月前) 視聴回数:1(早送りあり) 視聴人員:1(一人で見た)
2025年6月11日に書いた古いレビュー:
アメリカの小学校の銃撃事件で10歳の一人娘を失った両親が娘を失った悲しみとやり場のない怒りで家庭が崩壊しそうになるが、両親の生き霊と娘の幽霊のチカラによって新しい家族として立ち直る物語。私はこういう鎮魂歌のようなジャンルのアニメを見るのは火垂るの墓以来であるがこの作品でも悲しい気持ちになった。娘の地縛霊が活躍するシーンには涙がでそうになった。セリフがない代わりにキャラクターの生き霊や幽霊がボディ・ラングエイジ(身振り手振り)で心情を詳しく視聴者に説明してくれる。たとえば最初は父と母が娘の死の責任を押し付け合い黙りあって険悪な雰囲気になっている。そのとき父と母の背後にはそれぞれの生き霊が現れ口論をしている。この影のような生き霊のしぐさからキャラクターの心情が読み取れるようになっている。話が進むと同じように影のような娘の幽霊が登場する。両親の生き霊と娘の幽霊は互いにコミュニケーションし結果として両親は仲直りし新しい家族が構築されてこの物語は終わる。
2025/08/11 追記1:幽霊名作映画
幽霊が活躍する映画で私が思い出すのはまずアメリカ映画「ゴースト/ニューヨークの幻」(1990年)である。愛し合う若い男女がいたが男のほうが強盗に遭い死んで幽霊となりながらも女を守ろうとする物語である。キャストはデミ・ムーア、パトリック・スウェイジ、ウーピー・ゴールドバーグなど。序盤の生前の場面で女(デミ・ムーア)と男(パトリック・スウェイジ)が夜になぜか陶芸をしだして二人が手をからませながら粘土をこねるエロチックな場面は有名である。
アメリカ映画「シックス・センス」(1999年)も幽霊が出てくる名作映画であった。キャストはブルース・ウィリス、ハーレイ・ジョエル・オスメントなど。精神科医マルコム(ブルース・ウィリス)は診ていた精神疾患の少年の患者をうまく治せず未練があった。何年か過ぎマルコムはその患者と同じような少年コール(ハーレイ・ジョエル・オスメント)に出会い精神科医として彼を治療しようとするのだが…。この映画のテーマは生きている人間も幽霊も人を傷つけ怖がらせるために存在するのではなく何かを伝えたい訴えたいので存在するという感動的なテーマであった。少年コールも精神科医マルコムもそれぞれ愛する人に何かを伝えたいという思いを持っていたがかなわないでいた。この映画は愛する人に思いを伝えるという事はどんなに素晴らしいことかと思わせてくれる名作映画である。愛する人に思いを伝えるという事はどんなに素晴らしいことかというこのテーマは娘に思いを伝えることで両親が救われる映画「愛してるって言っておくね」にも共通する。
ビル・マーレィ主演のアメリカの実写映画「3人のゴースト」(1988年)やディズニー製作のアメリカの3DCGアニメ映画「Disney's クリスマス・キャロル」(2009年)も幽霊映画として面白い映画だった。どちらも幽霊がケチな主人公のもとを訪れ改心させる話だが3DCGアニメの「Disney's クリスマス・キャロル」(2009年)のほうが私は好みだ。裕福だが守銭奴な性格で他人の為にはお金を一銭も使わないケチな主人公の中年男スクルージはクリスマス期間でさえも町や人のためにお金を寄付し施そうとはしなかった。クリスマスの夜、スクルージに不気味な幽霊や精霊が何人もやってきてスクルージに忠告したり過去の美しい記憶や現在の貧しい人々のつつましい暮らしぶりや未来の悪夢を見せる。スクルージは改心し町の人々のためにクリスマスには寄付をして施しをするようになる。クリスマスの夜中にスクルージのもとに訪れる幽霊たちはそれぞれスクルージと同じくらいケチだったスクルージの元同僚の幽霊、過去のクリスマスの精霊、現在のクリスマスの精霊、未来のクリスマスの精霊である。この幽霊や精霊たちが実に個性的で不気味で面白い。
追記2:私の幽霊体験
私は祖母が亡くなった直後はまだ祖母が生きて家にいるような不思議な体験をした。夜になって家族全員が帰っているのに祖母がまだ帰っていない感覚が残っていて玄関の扉の開く音を待っているような不思議な感覚だった。家族というものが自分のアタマの中に24時間しっかりと存在していて、それを消すのは容易ではないということであろう。幽霊体験とは第6感の不思議な感覚なのだと私は思った。
追記3:霊映画「呪い返し師—塩子誕生」
日本映画「呪い返し師—塩子誕生」(2022年)もなかなか良かった。ある女子高の文化系クラブで女子高生たちが「呪い返し師 塩子」を呼び出す儀式を面白半分でやってみたら本当に呪い返し師 塩子を呼びだしてしまう。その塩子が善良な市民を苦しめている生き霊や悪霊の呪いを解く話である。塩子というキャラクターは真面目でうどんが好きという親しみやすい魅力的なキャラクターであった。ただし、この映画は感動するような映画ではなく仮面ライダーや戦隊シリーズのように主人公が事件を解決して視聴者がカタルシス(すっきり感)を単純に楽しむような映画である。
追記4:あたりまえすぎて気が付かない家族の大事さ
本映画「愛してるって言っておくね」は家族の映画である。娘の死の原因の銃撃事件自体はほとんど描かれない。家族とは何か。核家族世帯が多い現代日本では家族とは何かという問いの答えは複雑だと思う。家族とは何かの答えは時代によっても国や地域や所得によっても少しずつ違うと思う。家族とはあたりまえすぎて気が付かない大事さである。家族の大事さは失ってみて初めて気が付くのかもしれない。本作で「愛してるって言っておくね」とスマホに打ち込んだ時のママやパパの心情ははかり知れないがパパとママはここで家族の大事さに気が付いたのかもしれない。
失っても子は鎹
子を亡くした夫婦の離婚率は高いと別の映画で見たことがある。
そうだろうな、と思わされる作品。
仲の良い夫婦ほど会話を沢山している。当然その話題には子供がばんばん登場し、愛情かけて子供を育てその子供の少しの成長が延々と肴になるような毎日だ。
そこから一転して子供が突然亡くなった時、
話せば話すほど、子供がもう2度と戻らない事実、楽しい記憶が想い出に変わってしまった辛い気持ちを突き付けられるのだ。
家の中には子供との思い出の欠片があちこちに残っている。忘れたくないから、向き合っても子は戻らないナイフを毎日突き刺されながら思い出し、親に不備がなくても一体どうすれば避けられたのか、保護者として自責の念に駆られ続ける。
考えただけで辛い。
影となった子供は、夫婦の様子を今も見守っていて、私のせいでごめんね、仲良くして楽しく生きてと、仲を取り持とうと動き回るのがまた辛い。
天災、交通事故、誘拐拉致、などなど不慮のことは日本でも色々ある。
何にも巻き込まれずに我が子が一生を終えられる奇跡を、自分が生きている限り祈るしかない。
とても悲しい
三宅隆太さんが今年の第一位に推していらしたので、見る。セリフはないのだが音楽はあり、歌詞の字幕があるといい。子どもを亡くした夫婦の様子が悲痛で、次第に死因が明らかになると、スクールシューティングの被害というあまりに悲惨な出来事でずっしり思い気分になる。もし自分があのお父さんの立場だったらと思うと発狂してしまうかもしれない。映画自体すごい作品なのだけど受け止められない。
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