「46クローネ」ある人質 生還までの398日 Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
46クローネ
2012年にケガをしてデンマーク代表体操選手から離脱した主人公が、写真家となり訪れたシリアの非戦闘地域でISISに拉致されて、解放されるまでの13ヵ月の話。
拉致されるまでの経緯をサラッとみせて、すぐに1人監禁される主人公。
1度は希望の目が訪れるものの、今度は複数の人質達共に監禁される主人公達、身代金集めに奮闘する家族、間で動く元軍人の救出専門家、をみせていく。
ひたすらにみせる主人公が受ける仕打ちに、痛々しさが積み上がっていく中で、甘く考えた家族達の失敗と、それにより巻き起こる絶望。
決して責められるものではないけれど、確かに見方を変えて極論を言えば、それはISISへの侮辱であり、命を賭して救出を助ける交渉役への侮辱でもあるし。
さらに言うと、家族の思いは別として、頑なにテロに屈しないという政府の言い分も、それはそれで正論だし。
テロリストへに金が渡れば更なる活動を助長することにもなるからね…。
流れとしては同じ様なことの繰り返しではあるけれど、確実に前進しつつ、絶望と希望と葛藤が入り乱れた話をしっかりとみせてくれて、そしてそれだけでは終わらないせめてもの救いもあって、とても良かった。
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