「何者になるか」ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
何者になるか
名門大学に通い、夢を叶えるチャンスの一歩手前まで来た主人公のもとに、薬物の過剰摂取で母が倒れたとの連絡が入り…。
しばしばヒステリーを起こし薬物に走る母親と、強くも娘に負い目を感じる祖母、そして、そんな家族に苦しめられながらも皆を大切に想う主人公を中心に描かれるドラマ。
希望の職に就けるかもしれない面接を控え、しかし故郷でまたしても問題を起こす母親。助け合ってきた姉に縋られ、故郷に戻る主人公。無事面接に辿り着けるか?
叶えたい夢と秤にかけるのは、少年期のつらい思い出の象徴ともいえる母親。
しかし、忘れてはならないのは、この母親は悪さはしながらも、確かにJDとリンジーの事は愛しており、祖母の力もあったとは言え育ててきた。
二人が母親を捨てきれない理由がちゃんとあると言うこと。
だからと言って許されることではないけれど、本人の言うように努力はしてきたんだろうなと。
ちょっとした努力すらできない人なんてごまんといるし。。
そしてなによりお婆ちゃん。責任を感じているからこそJDを厳しくも守ってきたのでしょう。劇中、何度もカッコいい姿を見せてくれましたよね。
あの状況から彼の元に向かうシーンはグッときました。
リンジーも、最初はJDに粗丸投げかよ!と思ってたのに急に、「採用されるかも」って…
いきなりカッコよくなりだして。ちゃんとお婆ちゃんの血引いているな。
皆、大なり小なり道を外しているけど、大事な家族なんですよね。それは冒頭の川のシーンでもよくわかる。
家族の形は様々、例え失敗をしてもそこで這い上がる努力ができるかが大事なわけで、お婆ちゃんが言う通り、最後に自分が何者になるかは自分自身が決めることなんですよね。
簡単に答えのでない問題に考えさせられるとともに、登場人物皆の奔走する姿に惹き込まれた2時間だった。
…カメの下りも実話なのかい(笑)!!
素敵だ。
MARさん
コメントへの返信有難うございます。
時にハラハラとさせられ、見応えが有りました。
観るかどうかを迷った時に、レビューを参考にさせて頂く事も有ります。 観たい、と感じて観る時も有りますが 😌
こちらこそ宜しくお願いします。
MARさん
それぞれが、もがきながら懸命に生きる姿が心に響く作品でしたね。
グレン・クローズとエイミー・アダムスの、なりふり構わない程の熱演ぶりも見応えが有りました。