「なりたい自分になる」MISS ミス・フランスになりたい! ゆり。さんの映画レビュー(感想・評価)
なりたい自分になる
アレックスは男性だけど、子供の頃の夢だったミス・フランス・コンテストに出場しようと決心します。
好きだから、やりたいから挑戦する、それでいいと思います。
ミスコンに参加する理由としては弱いのかもしれませんが、美辞麗句やお題目を並べたところで、しょせんはミスコンなのです。ミス・フランスが世界を救えるわけもなく。でも、サッカー選手になりたいのだって、サッカーが好きで、得意だから。別に、サッカーを通して人々に夢と希望を与えたいからではないでしょう。もちろん、成功したら、相応の責任が伴いますけれども。
本作はミスコンの内情も教えてくれます。テレビの生中継で視聴率を上げるにはどうするか。リゾート地を旅する美女たち、と思いきや、今回は北部でエコツアー。海岸でのごみ拾いや、ごみ処理場でのポージングが笑えます。寒さと悪臭の中でも笑顔。男を喜ばせる以外に意味のない水着審査は、最近のミスコンでは無くなりつつありますね。
アレックスは結局、決勝に進んだところで男性だとカミングアウトしてしまいます。でも、舞台上で衣装を脱ぐのは、映画としては面白いかもしれませんが、単に謝罪なのか、自分を受け入れて欲しいという意味なのか、あるいは抗議なのかがハッキリしません。ここは、地区大会でのスピーチのように、自分の気持ちを訴えた方が良かったです。
アマンダは、視聴者受けを狙って馬鹿馬鹿しい企画を考えたりしましたが、すごくいい人でした。
そして、アレックスがとにかく美しいです。
話は変わりますが、私はクラシック・バレエでは、なぜ女性だけがトゥ・シューズでつま先歩きをしなければいけないのか納得がいきません。かなり負荷がかかると思います。(私はハイヒールでさえ、指の付け根が痛くて履きたくないです)アレックスは最後はヒールの無い靴でしたね。
カールⅢ世様、コメントありがとうございます。上半身を見せたのは、男性とか女性とかじゃなくて、アレックスという個性として見て欲しい、という意味なのかもしれません。演じているアレクサンドル・ベテール本人の方は女性に近づきたいのかな、とも感じました。体がすごく綺麗で、なまめかしかったですからね。