「闇の中」私は確信する はなもさんの映画レビュー(感想・評価)
闇の中
実際の裁判サスペンスと言う面白そうな前宣伝の割には、主人公ノラが裁判に関わって行く動機がイマイチ説得力がなかったし、何が、サスペンスなのか⁈
主人公ノラは、無罪を信じてと言うより、自分の確信にとらわれて膨大な録音を聴き、仕事も失い事故にまで遭ってしまうのだ。赤の他人に何故そこまで⁈
例えば、ノラが、容疑者の恋人だったり、大学ですごく世話になった先生の為と言う名目があったら腑におちるのだが、それも無く、推定無罪になった彼と喜びを共に分かち合っていないシーンは、なんじゃコレ⁈と思ってしまった。
これは、己が心証を確信にすべくして行く様を映画化していたに過ぎないのでは無いか⁈自分にもあるよなぁ、答えが有って、それに現象を当てはめていく事って😞
しかも、映画は、彼女側に立って作られているから、観客の私達は、スザンヌの恋人だったオリビエが非常に怪しい容疑者としてせまってくるのだ。それは、陪審員にも同じ事。陪審員たちは、再犯されたジャックが絶対?犯人に違いないと思って座っていたが、次第に犯人では無いんじゃないか⁈と変容して行くのだ。
それは、圧巻の陪審員を前にした最終弁論に尽きる。確たる証拠が無い場合、推定無罪となると言うことなのだ。
本当は、鬱を装ったジャックが殺していたとしても‥と、へそ曲がりな私は想像してしまった。
コメントありがとうございます。
私も後で、夫に愛人が居たと知りました😓だったら、その様にした方が説得力あるんですよねー。
おっしゃる通りです、有名な事件だからこそ、監督の不自然な容疑者弁護と言えますわ。
確かに子供や仕事を犠牲にしてまで、なぜと思いますよね。どこに書いてあったかは忘れましたが、どうも映画製作の過程で取材するうち、この監督は容疑者一家と親しくなりすぎたようです。実際の事件でノラの役割をしたのは、容疑者の大学での教え子兼愛人だったそう。家庭不和の原因も妻ではなく、夫のこの原因が先らしいです。それならそれで、そのとおりの登場人物が出る映画で良かったのに。監督のこの架空人物創造に、私は不自然な容疑者弁護の意図を感じます。考えすぎですかねぇ。しかし、なぜ証拠集めをわざわざ実際とは変え、容疑者の娘が家庭教師をする子供の母親という利害関係のない別人にさせる設定にしたんでしょうか。ま、フランスでは有名な事件らしいので、観客は変更を知って見ているのでしょうけど。