「『アノコロハヨカッタ』人間と言うモノの憐れを謳った物語。」KCIA 南山の部長たち コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
『アノコロハヨカッタ』人間と言うモノの憐れを謳った物語。
内容は、1979/10/26に起きた韓国大統領パク・チョンヒ(61)が側近のKCIA(韓国中央情報部)部長キム・ジェンギュ(54)に殺害される事件が起きるまでの40日間を描いた物語。韓国大統領は、何故殺されたのか?一体その時韓国では何が起こっていたのか?本編では当時韓国の軍事独裁政権の首領パク・チョンヒの圧政に義憤を募らせた事を動機としているが真相は未だに解明されていない。一体何があったのか?韓国にまつわる歴史が今幕を開ける。。。
印象的台詞は『アノコロハヨカッタ…×2』と大統領(閣下カッカ)とKCIAキム部長の二人きりで胸襟を打ち明け酒を酌み交わす場面の台詞。その昔、元戦友でありチング(親友)だった袂をわかった人々への思いを込めた日本語が切なかった。彼等の青春時代は1945/8/15迄の戦中で、その後劇的な変化の渦に飲み込まれる。戦時中に教えられた言葉が彼等のアイデンティティの発露でもあり本音を語り合う時には日本語がでてしまう。同じ時代を生きたい同志として変わり果ててしまった現在を儚んでる様に感じられ胸に迫る。
印象的な場面は『君の側には私が居る君の好きな様にすればいい』無気力に話す大統領の魂の抜けた言葉を話す場面。その2年前1974/8/15光復節(日本からの独立記念日)に起こった大統領暗殺事件『ムン・セグアン事件』で、側にいた妻が流れ弾に当たり殺される。自分を狙った銃弾で殺された妻を横目で見てからは、人が変わった様に暗殺を恐れる様になり、理髪師は特別な人だけにし、枕元に拳銃を忍ばせていたと言う程の怖がりぶり。当然政治には無関心になり上記の言葉を口癖の様にしていたと言う。そんな背景がサラッと演技で説明されていた所が印象的な場面です。なので今でも韓国の料理店では、オマカセや好きな様に等のメニューがあるそうです。
印象的な演出は、戦車(M48砲塔が椀型で丸く可愛い)を実際に道路に持ち出した演出です。国が支援してないと出来ない演出には驚きました。アメリカ🇺🇸やフランス🇫🇷の撮影も現地で行っており凄いお金のかけ様に映画に対する意気込みが、正比例する様に伝わってきました。
コリアゲート事件から始まる今回の物語り複雑怪奇な話ばかりで調べれば調べるほど理解不可能になる問題でした。『権力の堕落』キプニスが述べた様に強大な権力は自分の首を絞めてしまうのかもしれません。その昔、ギリシャ🇬🇷ではシーザーに対してブルータスが、日本🇯🇵では織田信長に対して明智光秀が、アメリカ🇺🇸では全米トラック協会事件・映画『アイリッシュマン』M・スコセッシ監督がある様に同じ構造の飽きない繰り返しで、劇中でもシェイクスピアを引用される様に其れでも憑かれた様に振る舞う人間の性を複雑に表した面白い作品です。
いかんせん、編集が矢継ぎ早でテンポが異常な程早いので脳みその処理が追いつきません。取り残される可能性が大の作品は、観ている人を信じ切っている様に感じました。
レビュータイトルの謳について書いて終わりにしようと思います。
大統領が歌っていた歌『荒城の跡』1922李エリス歌手(99)最近まで存命であられた事。この事件の後に流行した歌『忘れられた季節』1982イヨン歌手は現代の荒城の跡とも呼ばれる作品です。色濃く残った事件は歌い継がれ、やがて忘れ去られ、又同じ様な事件が繰り返される。そんな歳月の無情さ寂しさ亡国の懐かしさを人は繰り返しを謳ってるように感じます。
長々とレビューを書いてしまいました。もしここまで読んで頂けたならご苦労様です。ありがとうございました。あなたの時間を少しでも拝借した事に申し訳なくも感謝しかありません。
マカロニウェスタン、
カッコいいクリント•イーストウッド、また観てみたいです。
銃規制が上手くいかない、なるほどと思いました。今朝wowowドラマ内でも来日している白人女性(国名は?)が羊🐏の世話を祖父に任され寝ずの番して狼から守る為銃を発砲したが当たらず祖父に助けて貰い次は的を外さず、と言い若い女性(現代)でも銃を持ち扱うのが当たり前のようでした。日本とは違いますね。
おはようございます😃
コメントありがとうございます😊
ご心配いただきすみませんでした。本作2回ぐらい観たとは思いますが、ほぼ記憶に残っておりません。大統領夫人が先に凶弾に倒れたのは、何代か前逮捕された女性大統領のお母様のことで、その後お父様も暗殺されたのでは?実話に近いものがあるかな?と。
韓国の政治社会モノは、なぜここまで表現できるのだろう、と思うくらいリアルですね。