劇場公開日 2021年1月22日

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「青瓦台に「麒麟」は来たのか」KCIA 南山の部長たち h.h.atsuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5青瓦台に「麒麟」は来たのか

2021年1月22日
iPhoneアプリから投稿

79年当時の東西冷戦状況下の朝鮮半島情勢や長期軍事政権下の市民感情など韓国の人にとっては当たり前の前提条件が求められるものの、その理解はなくても政治サスペンスとして相応に楽しめるはず。

物語が展開するなか、金 載圭氏の追い詰められた末の行動がかの「明智光秀」に重なって仕方がなかった。ライバルたちの闘争の末に権力が転がり込んできた全 斗煥はさしずめ「豊臣秀吉」といったところか。

当たり前のことだが、本作は史実をベースにしたフィクション映画である。
当時KCIA部長であった金 載圭氏が朴 正煕元韓国大統領を暗殺したという事件だけが真実であり、金 載圭氏の動機含めた因果と犯行のプロセスはあくまで想像の域に過ぎない。

韓国内でもの金 載圭氏の評価は分かれているようだが、少なくとも本作制作サイドは朴の長期独裁政権時代の打破に一石を投じた彼の行動をいくぶん好意的に評価して描いている。

冷戦下、東側のみならず西側が支援する東南アジアやアフリカ諸国政府の軍事独裁体制を米国政府および情報当局が直接間接問わず積極的支援してきた史実と、世界は今そのツケを払わされている事実を忘れてはいけない。

社会派の作品は群を抜いて優れた作品を世に送り出す韓国映画界は、政治モノになると途端にその矛先が鈍ってくるのは気のせいか。まあ、社会モノも政治モノも韓国に大きく後塵を拝する日本映画界よりはマシであろうが。

atsushi
アンディぴっとさんのコメント
2021年11月14日

こんばんは。私も明智光秀みたいだなあ、と思って観てました🗡

アンディぴっと
bionさんのコメント
2021年1月23日

そうなんですよ。僕も本能寺の変が重なりました。決行後の行き先も考えていなかったなんて😹😹

bion