「すくってみた」すくってごらん aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
すくってみた
「令和日本版インド映画風ミュージカル」と言うと、なんだかよくわからないだろうけど、言い表せばこんな感じ。試みとしては面白い。テレビではなかなか出来そうにない演出なので、映画というのはうなずける。
ストーリーは、田舎に左遷されたエリート銀行マンの巻き起こす、ドタバタ恋愛コメディ。左遷先の町は、何故か金魚すくいが伝統かつ定番で、主人公が金魚すくい屋を営む女将に一目惚れする所から展開していく。尾上松也が、実直ながら癖のある主人公を、良い感じで演じていて、歌がうまくてびっくりした。百田夏菜子もももクロの元気娘と違った、おしとやかな役回りで、良い雰囲気。
惜しむらくは、物語の展開はもう少しやりようあったかも。歌や音楽は丁度心地よい塩梅だったが、それ以外は笑いに振るところ、ドラマに振るところが、中途半端な場面がままあり、惜しい感じがした。主人公のキャラが立ってるので、もう少し漫画風の演出に寄せても良かったのかも。ミュージカル映画レミゼラブルの「夢破れて」に対抗して、「ポイ破れて」くらいふざけても良かったかな。そうではなく、ドラマに振るのであれば、終盤はもう少し盛り上げても良かったのかと。
新感覚とまではいかないけれど、新しい試みはうまくまとまっていて、好感が持てた。
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