「邦画ミュージカルとしては良くできているのではないか。奈良県人としては、全編奈良県ロケなので主人公が「ど田舎」という度にムッとしたが(「ど田舎」には間違いないけど)」すくってごらん もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
邦画ミュージカルとしては良くできているのではないか。奈良県人としては、全編奈良県ロケなので主人公が「ど田舎」という度にムッとしたが(「ど田舎」には間違いないけど)
①初めは全く食指が動かなかった。華のない主役、この程度で謎の“美女”?、金魚すくいを題材にしたのは面白いところに目をつけたと思う反面、面白い映画になるものやら半信半疑、という訳で最初は観る気は無かったのだが、全編奈良県でロケ、金魚の町大和郡山のバックアップと知って奈良県人として“一応”観たらなあかんな、とかなり上から目線で期待せずに観に行った。と、思っていた以上に楽しめた。②邦画ミュージカルがつまらない原因の1つに音楽や歌の魅力の無さがあることが多い。『舞妓はレディ』や『オタクに恋は難しい』もそうであったが、今回は歌に親しみやすさがあった。③演出もところどころ空回りするところもあるが概ね破綻なく、舞台に広がりがなくても(セット以外は殆んど今井町で撮影したシーンばかりだね)飽きさせず面白い映像処理シーンがところどころ挿入されていて楽しい。④キャストでは柿沢勇人の存在がアクセントを与え、主人公の同僚たちのゆる~い感じがなかなか良い。途中で休憩を入れる構成も人を喰っていて面白い。鶴光、どこに出てたのかしら?⑤最後、主人公の恋が叶うのではなく、主人公の言動が触媒となって幼馴染みであることが逆に邪魔をしてお互いに思いを告げられずにいた二人が結ばれる流れがなかなか粋で宜しい。⑥思ったほど金魚すくいのシーンが少なかったが、ポイが破れたら終わりではなくてまだ紙が残っていたらすくえる(んだよ!)ことを知って主人公が一度くらいの(人生での)失敗なんてどうってことないと気付いた(と思うんだけど)ところが良かったし、ラストすたすたと東京に帰って行った主人公はまた同じ失敗(心に思っていることがいつの間にか口に出る)を繰り返すような気がするのは私だけ?