「人にやさしく、作品に愛を☆」エポックのアトリエ 菅谷晋一がつくるレコードジャケット ホシ☆ケンさんの映画レビュー(感想・評価)
人にやさしく、作品に愛を☆
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ザ・クロマニヨンズのレコードジャケットを毎回手がけている菅谷晋一。手間をかけ、時間をかけ、愛情をかけて作る作品は、ザ・クロマニヨンズのメンバーのみならず、たくさんの人からの信頼を得ているんですね。甲本ヒロトも「こちらからの(デザインの)注文はしない。丸投げです」とその信頼の厚さを語っていました。
この映画の中でザ・クロマニヨンズのアルバム「PUNCH」とシングル「クレーンゲーム」のジャケットを制作過程が撮影されていました「PUNCH」ではボルトのオブジェをわざわざ作り、写真に撮り、ようやくパソコンで画像処理。タイトルは紙を100円ショップで買ったというハサミでチョキチョキ。工作を楽しんでるかのようでした。
僕が印象に残ったのは、アーティストに提示するサンプルは一点であるということ。通常は何点ものパターンを作って提示する人が多いそうです。
菅谷さんはこう言ってました。「わざわざ時間を作って、僕に仕事を依頼しに来てくれる。一点に100%のチカラを注がないと、相手に失礼でしょ?」と。
「相手に失礼でしょ?」って言葉。
いま、僕たちが忘れかけている感覚かもしれないですね。自分を主張することに気持ちが傾けば、相手を想う気持ちは薄れていきます。
自分の言葉が、行動が相手にどう響くかを想像しながら動くということは言うほど簡単じゃないし、自分を抑えることにもなる。でもそこを越えること‥それが大事なような気がしました。
ものづくりから見えて来る人の心。
ザ・クロマニヨンズから入っての鑑賞でしたが、とても良いメッセージを受け取ることができました。観て良かったし、オススメです。
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