劇場公開日 2021年3月5日

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「【”置いて行かないで・・。” 親からの愛を注がれずに育った哀しき過去を持つ、若き男女が徐々に惹かれ合い、逃避行に至る経緯を描いた作品。切ないです・・。】」NO CALL NO LIFE NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”置いて行かないで・・。” 親からの愛を注がれずに育った哀しき過去を持つ、若き男女が徐々に惹かれ合い、逃避行に至る経緯を描いた作品。切ないです・・。】

2021年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

幸せ

ー ネグレクト、児童虐待を描く映画が多くなってしまった昨今。
  しかし、今作はそれを背景にしながらも、必死に愛を求めて生きる高校生男女の恋愛を、切なすぎるトーンで描いている。ー

<Caution! 以下、内容に触れています。>

 ◆感想
  ・有海(優希美青)と、不良とみられているハルカワの哀しき相似性が作品構成上、上手く機能している。

  ・有海の携帯電話の着信履歴に電話すると、”現在使われておりません・・”と言う無機質なアナウンスの後、グリッジ音が混じり・・、幼き男の子が出る。
  ー ”誕生日のプレゼントは何でも良いの? じゃあ、ママを殺して・・。
  時を超えた、ヘルプメッセージ。
  そして、終盤明かされる、有海の哀しき過去。
  メッセージのすり替えが、絶妙である。ー

  ・似た者同士の二人は、徐々に惹かれ合い、共に”ある空アパート部屋で生活をするようになる。
  ー ここで、鍵の場所をサラリと見つけ、”大体、こういう場所に隠すんだよ・・。鍵の置いてあった場所は、子供の手が届かない所である。
    そして、ハルカワの少年期のフラッシュバックが被せられる。
    柱に刻まれた、傷。ー

<井樫彩監督のカンヌ映画祭出品作「溶ける」
そして、フライヤーのみ手元にある初長編作「真っ赤な星」を観たいと思わせられた映画である。>

<2021年7月18日 刈谷日劇にて鑑賞>

NOBU