「印象的なタイトル、遺骨、生きるとは」川っぺりムコリッタ naomiさんの映画レビュー(感想・評価)
印象的なタイトル、遺骨、生きるとは
タイトルのムコリッタが気になり調べてみると、
「ムコリッタ(牟呼栗多)」とは、仏教における時間の単位の一つで1/30日=48分のこと。
山田たけしが身ひとつで暮らし始め、閉ざしていた心を開いていく感じがほっこりする。
過去を知られた時の感情。
父親の遺骨に対しての行動。
役所の堤下さん、誠実な人だ。
遺品の携帯に残る番号へ電話した思い。
就職先の塩辛工場社長の優しさ、良いなぁ。
ご飯が炊けるのを炊飯器の前で待つ姿、美味しそうに白米を頬張り、少しのおかずとお味噌汁を味わう姿は、本当に幸せそう。
ハイツ ムコリッタの大家の南さんは、娘さんと2人暮らし、洋服が少し個性的で可愛い。
愛してやまない夫は亡くなり、遺骨を少しだけ瓶に入れて側に置いていて、正に骨まで愛している。
ヤギを1頭ペットのように飼っていて、鳴き声が可愛い。
平屋の長屋タイプで庭付1LDK、家賃お安め。古くて壁が薄くクーラーなし。
隣の島田さん、人懐っこくて、庭で野菜を育てている、自称ミニマリスト。
直ぐに山田さんのお風呂借りるし、茶碗と箸を持参してご飯食べに来るし、採れたて野菜を差し入れしてくれる。
でも、怖がりだし、過去の事は話さないし、亡くなった息子さんの事は、未だ気持ちの整理は出来ていないのかな。
溝口親子は、墓石の訪問販売をしている。
滅多に売れる事は無い。
食べ物の話が兎に角美味しそう。
久しぶりの売上で、上等なお肉のすき焼きを食べようとしている場面は、隣人の襲撃から一緒に食卓を囲み盛り上がる感じが楽しい。
子供達の遊びも面白くてファンタジーだね。
川っぺりでのシーンはどれも印象的。
遺骨について色々と考えてしまった。
死ぬ事、生きる事、その危うさ。
凄く印象に残る映画でした。
映画を観終わって直ぐに感想を書けず、少しですが、荻上直子監督や松山ケンイチさんのインタビューを読んだりして、自分なりの補足と咀嚼が必要だったのかも。
たまの曲「夕暮れ時のさびしさに」の歌詞がきっかけでお話になった。
タイトルは、国語教師の友達がつけてくれた。
荻上監督と松山ケンイチさんとの運命的出会い。
松山ケンイチさんに田舎暮らしのきっかけを与えたひとつ。
吉岡秀隆さん演じる溝口親子は、黒澤明監督「どですかでん」へのオマージュ。
心の電話の声は、薬師丸ひろ子さんのイメージが最初からあった。
映画の中で、2年前に亡くなった岡本さんがよく言っていた言葉「せつな、たせつな、ろうばく、むこりった」
刹那 (せつな)
怛刹那 (たせつな)
臘縛 (ろうばく)
牟呼栗多(むこりった)