「食べるとは生きること」川っぺりムコリッタ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
食べるとは生きること
日本映画って印象的な食事のシーンが少ない気がする。観終わった後にあれ食べたくなるなってなるやつが。そんな中、本作の食事シーンはいい。炊きあがったばかりの白いご飯をしゃもじでかき混ぜるシーンから魅力的。
豪勢なおかずがあるわけではない。でも、とても美味しそうだったし、力強さを感じた。動物や魚介類、植物にしてもそう、人は生きているものを食す。そうだよな、食べるって生きることなんだよなと改めて実感する。
一方、死んでしまった者たちのエピソードも散りばめられる。島田の子ども、大家の南の夫、そして山田の父親。ついでに言えば同じアパートのおばあちゃんも。亡くなった者たちとの向き合い方も生きるってことにつながるってことだ。
時間の進み方がやたらとゆったりと感じるのもこの映画の魅力。説教臭いところが全然ないのになぜか力をもらえる、そんな不思議な魅力がつまった映画だった。もちろん、塩辛とご飯が食べたくなる!
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