「ムコの鎖骨でナニシテハッタ?」川っぺりムコリッタ カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
ムコの鎖骨でナニシテハッタ?
友人の告別式に出た日に何か一日の終わりに心が暖かくなる邦画を求めて見た一本。
まさかでした。
せっかくきれいに残っていたお骨を骨壷に順に入れたのに、入りきらないとふんだヤキ場の職員さんが大きなカラダで上から全体重をかけてボキボキにして詰め込み、そのあと灰を刷毛で必要以上にバカ丁寧に集めては入れるのを見ている間、なんとも空しい気持ちになりました。
そしたら、この内容。
ムコリッタが仏教用語だとも知らず、ムロツヨシと黒田大輔の出演を確認しただけで選んでしまいました。
でも、故人はこの映画を見て、オレを今日の最後まで偲んでくれよと導いてくれたんだなと思いました。
友人は58歳で逝きました。KISSのファンクラブに長年入っていたロックバカでした。もちろん、ジーン・シモンズの斧ベースを筆頭に5本のベースを所有しておりました。
喪主の15年下の彼の嫁さんは式場のBGMでロックンロール・オールナイト、ラヴィン・ユー・ベイビー、ハード・ラック・ウーマン、ブラック・ダイヤモンド、ラブ・ガンをエンドレスで流しました。
それから、遺骨関連の邦画を3連チャン。
そのうち、川っぺリとアイ・アムまきもとに満島ひかりが。
一合だきの小さい炊飯器も共通。
赤い金魚も両方に出てきた。薬師丸ひろ子の命の電話の相談員の話。魂の金魚。
偶然にしては・・・・きっと何かの縁でつながっているのかも。
開放的な長屋暮らしはまるでシェアハウス。
店子のすき焼きに生卵持参で駆けつける大家さん。きついな~
大家さんが旦那の遺骨を少しカリカリしたあと、なんかしてはった。あれは鎖骨。ちょうどいい形とサイズだなぁと思いました。たぶん、荻上直子監督の本には書けない映画だけのサービス場面だったと思う。
帰りにイカの塩辛を買って帰り、何杯も献杯してしまいました。