「へんてこ映画」川っぺりムコリッタ ぽよの友達さんの映画レビュー(感想・評価)
へんてこ映画
不思議、気持ち悪い、奇妙、へんてこ、宗教感、スピリチュアル。
だけど観て気分が悪くなったわけではない。
イカのぬめっとした感じ、目玉のギョロッとした感じ。
私は大丈夫だった。
生と死
山田にとって父親の骨は不気味ですぐに捨ててしまいたい物、南にとって旦那の自分の一部にしたい物。
タクシーの運転手は奥さんの骨を夜空に打ち上げる。
亡くなった人の骨を残された人がどう扱うか、どう扱いたいか。社会福祉課のあの一室も異様な空間。
死んだ後の骨の行方を考えてみる。
貧と富
安アパートでお風呂もろくに入らない島田。
隣の家で炊き立ての白飯もビールもいただく島田。
島田は図々しい。
墓石を売る溝口。
安アパートに住んでいても犬用の墓200万円が売れればすき焼きが食べられる。
個人的にはお金に余裕がないとき、心に余裕もない。ビールだってすき焼きだって自分一人で食べてしまいたい。
だからアパートの人たちはすごい。
過去と今
主人公だけでなく喋り方や行動が独特な住人たち。
山田は前科者、島田にも言いたくない過去がある。
南だって夫を亡くし、溝口も沢田もなにかしらあるだろう。過去の映像がなく、こちらの想像任せ、それでいい。
登場人物のどこか諦めがある。
南の妊婦の腹を蹴りたくなる感情。
そういう感情が自分の中にあるということが怖いという気持ち、すごく分かる。
自分が怖くなること、ある。
重いく感じる内容だったけれど音楽と色が癒してくれた。
白と青と緑の世界。
映像が美しい、絵になる。
不法投棄も築50年の建物も美しい。
どんな人も助けてくれる映画。
ギリギリの生活でも小さな幸せを見つければいい。
人と比べなくていい。変でもいい。
みんな変じゃないのかもしれない。
恥じることはない。
松山ケンイチかっこいい。
ムロツヨシすごく似合ってた。
満島ひかりセクシーすぎる。