「どこでどんな暮らしをしている人でも、心の中に重荷や十字架を抱えていて、それでも毎日束の間の幸せを感じながら生きているのです。炊きたてご飯がとても美味しそう。」川っぺりムコリッタ もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
どこでどんな暮らしをしている人でも、心の中に重荷や十字架を抱えていて、それでも毎日束の間の幸せを感じながら生きているのです。炊きたてご飯がとても美味しそう。
松山ケンイチにムロツヨシに吉岡秀隆。
このキャスティングで一体どんなお話が と
気になっていた作品を鑑賞してきました。
一人の男が暮らし始めた古い安アパート。
そこで生活する人達との交流を描いたお話 です。
それぞれが過去の重荷を背負っている住人たち。
暮らしぶりは豊かとは言えなくとも
毎日の暮らしの中に
ささやかな幸せを見つけながら しっかりと生きている。
主人公の「山田」を演じたのは松山ケンイチ。
詐欺の罪で刑務所に服役していたらしい。
出所してこのアパートを紹介されて住人に。
「人からお金を騙し取った」
ということらしいのですが
おそらく彼自身もそんな事とは知らずに
詐欺の片棒を担がされたのではないか ?
と、そんな感じすら受けるほど
「無口で 人との付き合いがヘタ」
な人物を好演してました。
そんな彼の隣人「島田」がムロツヨシ。
いや~
クセが強く、押しも強く、しかしどこか陰りのある
そんな強烈な
個性120%全開のムロツヨシを堪能しました。 拍手。
この「山田」と「島田」の関係性。
相手の足りない所を互いに補いあえるようになる
その過程の変遷が、見ていてすごく面白かった。
※食事(スキヤキ)に乱入する場面なんか
島田に続き、茶碗とハシだけ持って
「お金持ってません」 と
宣言して食べ始める姿には、清々しさを感じました。 はい。
※溝口サン(吉岡秀隆)には同情するしか無いですが (…涙)
と、まあ
こんな感じに
「ハイツ ムコリッタ」で暮らす人達の
「ささやかな幸福の時間」
を、切り出して描いた作品です。
昭和の時代にはこのような
助け合い、もたれ掛かり合って暮らす生活の場が
あらこちにあったような気がします。 しみじみ。
観て良かったです。
満足。
◇ あれこれ
前科者・その後
を描いた作品を、最近他にも何作品か観ている事に
思い当たったのですが…
「ヤクザと家族」 元々住んでいた世界が違うかも (…汗)
「前科者」 リアルな現実の描写が凄かった (…汗)
「すばらしき世界」 シビアな現実を見せられました (…涙)
う~ん
同じ前科者のその後を描いた作品でも
描く世界観が全く違いますね。
この作品は一番ソフトです。
フグ差し
子供の前で、フグを食べる真似をする溝口(吉岡秀隆)。
表現力は素晴らしかったのですが
幼稚園児くらいの子供に、伝わるのでしょうか ??
(スキヤキなら分かりますが)
※200万の墓、自分の取り分はいくらなんでしょうね? (…下世話)
おばあさん
アパートの前で山田に声をかけた人。
「こんな植物でも、手をかければ綺麗な花が咲くのよ」
後でユーレイと分かるこの人
大家さん(満島ひかり)からは
"会いたかった" "次は私の所に出て"
と熱烈ラブコール。
死んだ後もこんなに慕われる人生も 悪くないかも
そんな風に思ったりします。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
コメントしていただきましてありがとうございました😊
昔からの質素ながらきちんとした食事、+ 卵焼きが欲しいです。
本作への理解が更に深まるレビューをありがとうございました☆。
またよろしくお願いいたします🤲
もりのいぶきさん
共感&コメントありがとうございます。
また拙いレビューをお読みいただき嬉しい限りです。
『波紋』は熟年夫婦の私には響いてきました。
ティストが全然違いますが荻上監督の『川っぺりムコリッタ』素敵な作品でした。
共感有り難うございます。そうですね。松山ケンイチさんは、やはり「騙し取られる側」にしか見えないです。彼が詐欺犯であったと言う意外性も、作品に深味を与えているように感じました。
今晩は
私は、皆で食卓を囲むシーンがある映画が好きでして・・。更に言えば、その食事が美味しそうでればOKだという、単純脳の持ち主です。
今日も、美味しそうな料理が出てくる映画を観て満足しました。
”食は生なり”
出来れば多くの人と囲む食卓の風景は、とても好きなんですねえ。
では。返信は不要ですよ。