劇場公開日 2022年9月16日

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川っぺりムコリッタのレビュー・感想・評価

全202件中、1~20件目を表示

4.0話さなくても、声だけでも

2022年9月20日
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「ムロさんが出ている映画はおもしろい」と子どもたちは信じている。だから、本作に誘ったときも「観るみる〜」とすぐに乗ってきた。…けれども、本作のムロさん=島田は、いつもとちょっと違った。
 いきなり「風呂を貸してくれ」とやってくる隣人。その頼み方は愛想のかけらもない。いつの間にかお茶碗にお椀、箸持参で登場し、風呂上がりのビールまでセットになっていく。
 もしかすると、島田はASDかもしれない、と途中から思った。空気や相手の感情を読み取るのが下手、決まった手順にこだわりやすい。彼の図々しさは悪気がない。でも押しが強くて、ヘンでおもしろいと思われるか、不気味だと思われるかは相手によるだろう。
 そんな彼をしぶしぶ受け入れる主人公•山田。山田は、埋めようのない大きな穴を抱えている。とにかく働かなければ生活が成り立たない。頼る人も戻る場所もない。周りと距離を置いてきた山田の生活に、強引に入り込んできた島田。2人でご飯と野菜(と塩辛)を食べているうちに、山田の世界は少しずつ広がっていく。
 ハイツ・ムコリッタの住人は、それぞれに穴を抱えている。妊婦のお腹を蹴りたくなる大家の南さんも、結構あぶなっかしい。島田の穴はぼんやりとしているが実は深く、山田の過去を知った彼は突然距離を置くようになり、山田は戸惑う。そんないびつな彼らを取り巻く人々が、とにかくいい。島田の旧友、ガンちゃん(黒田大輔さん!)や山田の同僚の中島さん(江口のりこさん!)はそれらしいセリフもなく、特に親切なことをするわけでもない。でも、確かに彼らに寄り添っている。加えて、山田を背中をそっと押す上司(緒方直人)や福祉課の担当者(柄本佑)に加え、「いのちの電話」の窓口の女性(薬師丸ひろ子、声だけ!)の存在も忘れ難い。隣に誰かがいれば、穴をふさぐことはできなくても、少しだけ小さくしたり、うまく付き合っていくことは出来るのだ。
 気づけば、荻上監督作品との付き合いは長い。監督の作品は「ゆるぎない女主人がいる」というイメージが強かった。ちょっと現実離れした世界の中に登場人物たちを放ち、クスリとする笑いや、ホッとする瞬間など、淡い感情をすくい取る。それが大きく変わった、と思ったのは「彼らが本気で編むときは、」だ。これは、喜怒哀楽がくっきりしていた。淡々と穏やかに/諦めて日々を過ごしているように見える人々の心の奥底に、たぎるもの。熱量ある感情をじわじわと描きながらも、監督らしいおかしみがあった。
 そして、本作。さらに監督は進化した、と思う。もはや、軸となる「ゆるぎない」人物は登場しない。その代わり、彼らはひとときの異世界から現実に戻る必要はなく、普段の生活の中に、確かな手ごたえを手に入れていく。
むらさきの花、金魚、蜘蛛、そして新鮮な野菜たち。映画と自分の日常をつなぐあれこれも、うれしい余韻だった。そう言えば、子らに教えてこなかったな、と、胡瓜の馬と茄子の牛に乗って亡くなった人の魂がお盆に帰ってくる、という話をした。
子どもたちは、やっぱりムロさんをおもしろがった。そして、「映画観てたらお腹がすいた!」ともりもりご飯を食べた。骨つき肉って映画のほね(遺骨)を想像しない?と尋ねてみても「そうかな? でも、おいしいからいいや〜」と全く気にせず。そんな健やかさを、ありがたいと思った。

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cma

4.0磐石のキャスティングで描かれるファンタジックな法話

2022年9月17日
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ニコ

4.5崖っぷちを描きながらも微笑ましく優しい人間賛歌的な作品。独特な時間の流れを感じられ、これぞ荻上直子監督作品!

2022年9月16日
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「かもめ食堂」(2006年)でブレイクし、「めがね」(2007年)もヒットした荻上直子監督作品の根底にある作風は、「時間の流れが違う」ということでした。どこかゆったりと優しい時間が流れている独特な作品となっているのです。
近年はそれほど映画で見ないな、と思っていたら、ようやく「THE荻上直子監督作品」の登場です。
しかも、タイトルに「ムコリッタ」と、仏教における「時間の単位」の一つが使われています。

1日は誰にでも平等に24時間となっています。
1日を24で割ったものが1時間。
ただ、「1時間=60分」という前提を変えることは可能です。

1日を30で割ったもの、それが「ムコリッタ」という単位です。
具体的には「1ムコリッタ=48分」となり、通常の時間よりは細かくなります。
ちなみに、「一瞬」を意味する「刹那(せつな)」は、仏教では「時間の最小単位」を意味します。

この「ムコリッタ」に「川っぺり」という言葉をかけ合わせると、どういう化学反応が生まれるのでしょうか?
川は台風のたびに氾濫し、川沿いで暮らす人たちは「日常でなくなる瞬間」と隣合せで生きています。そうした状況に常に脅かされギリギリを感じながら。
ただ、実は誰しもが、どこかしらでそんなギリギリを感じて生きています。
そんな私たちは、「ささやかな幸せ」を細かく見つけていったりすることで何とか持ち堪えられている面があるのです。
このような人間の本質的な面を本作は描き出すことに成功しています。
崖っぷちの厳しい状況を、どう乗り越えていけばいいのか、時にはユーモラスに語り掛けているのです。
本作は、出演者も何気に豪華で、さらに「荻上直子監督作品」らしくご飯がとても美味しそうにも感じられる、質素に見えながら贅沢な作品でした。

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細野真宏

3.5塩辛が食べたくなった

2024年10月19日
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令和の米騒動真っ只中で困った。気軽に食べられるサトウのごはんが売ってない。炊きたての白米にイカの塩辛と漬物、お味噌汁が食べたくなった。おかずなんてこんな物でいいよな。少しでいいんだよ。人との距離感も少しでいい。身の上話は一切しない、けど一緒にごはんは食べる。そんな距離感。

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ちちち

4.5―PFFスカラシップから羽ばたいた才能たち―①の2

2024年10月15日
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荻上直子監督と天野真弓プロデューサーのトーク付き
バーバー吉野との二本立て

ムコリッタって、声に出したくなる類の響き。
川っぺりの語感と合わせてとてもいいタイトル。
まさか宗教用語とは。

よかったです、とても。
役者さんもみんな上手で。
ムロさんの絶妙に迷惑な人役は秀逸。
主人公もあんなに嫌がってたのに、だんだん待っちゃうようになってくの、わかるわかる。
心の機微がご飯シーンによく現れていて、飯島奈美さん、ほんとすごいなぁ。画で見せる飯力。

監督のトークによると、吉岡さんがスタイル良すぎて、最近のスーツだとダサくならなくて、自分の旦那の数十年前のスーツを引っ張り出して着てもらったら、「コレコレ」となったそう。

満島ひかりさん出演の作品、この後の石井裕也監督のも見るんですが、両方とも骨壷が…!
たまたまですかね。

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osinco

3.5人は皆罪を犯す

2024年10月12日
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人は皆罪を犯す 犯して苦しんだり悲しだり楽しかったり色々あっても生きたもん勝ちってことでっかぁぁ

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drchu

3.5同じ飯ばっかり食う映画NO1

2024年10月12日
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かっこよく言えば喪失と再生の話

とにかくなんでもない飯がうまそうだった
炊き立てのご飯。とれたての野菜。風呂上がりの牛乳。

映画の飯描写はいろんなレパートリーを見せるのが普通だけど、川っぺりムコリッタは同じものばっかり食ってる
塩辛ばっかり食ってる
僕の身の回りに溢れているご飯をこんなに美味しそうに食べていて少し悔しい!!

さすがに見ていて腹が減ってきたから僕もご飯を食べながら見ていてら、中盤でムロツヨシがゲロって最悪だった
裏切られた

日本一濡れ姿が似合うムロツヨシと、日本一お母さんが似合う美人の満島ひかりもよかった
あと日本一Lチキが似合う松山ケンイチもよかった

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真平

3.0塩辛工場

2024年10月5日
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悲しい

楽しい

幸せ

主人公(松山ケンイチ)は富山の塩辛工場で働き始める。
社長の紹介で長屋のアパートに入り、隣に住む男(ムロツヨシ)の厚かましさに閉口するが、次第に馴染んでいく。
荻上直子監督のちょっと奇妙なテイストの人情ドラマで、色んな人が頭に浮かぶ。

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いやよセブン

4.0やさしい時間

2024年10月5日
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2024
118本目

ムロツヨシと満島ひかり、この2人が出ているだけで見応えがある。

内容自体は軽くは無い。
色んな背景や過去を持った人達がハイツと川っぺりを舞台にストーリーは進む。

一般的な贅沢な暮らしとはまったく違うのだが、白いご飯と漬物が食べたくなるような小さな幸せを大切に表現した映画。

生と死
出会いと別れ

とにかく優しい時間が流れます。

ひぐらしの鳴き声が一番のエッセンスでした。

人の人生の一端を見た印象。

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M.T

3.5滑稽で静かで癒し

2024年10月4日
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川っぺりって、空が広いね
建物もないから、抜け感があって

生きる 暮らす それだけで
なんだかいいなと思わせてくれる

毎日が単調でも ともだちが少なくても
誰かとつながり(それがあいさつだけの関係であっても)
生きていくのは おだやかだな
と思った

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くまっち

4.0ムロツヨシと松山ケンイチの良さ

2024年9月18日
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ほくほく

5.0心地よい

2024年8月11日
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蝉の声が響くクーラーのない気だるい夏。
山田は扇風機で生ぬるい風を感じながら1人、部屋で時間を潰す。

お金がないから風呂を貸せというとなりの島田を断る山田。だが野菜をやるからと言って強引に風呂に入る。
だんだんエスカレートしビールとご飯セットまで勝手に食べるようになる。
そんななんとなく友達のようなふわりと周りにいるムコリッタの住人たち。

山田にも悲しい過去が。
大家さんにも。
図々しくおもえた島田にも悲しく人に言えない過去が。
優しく繊細な人間だった。
うるさかった蝉の声に鈴虫の羽音が混ざる頃、父を弔える気持ちに変わっていった。

人それぞれに色々あるけど、小さな幸せと1人じゃない温かさを充分感じるとても良い映画でした。

うるさいくらいの虫の声、夏のどかーんとした暑さとか、基地を作って空想したり、子供の頃の感覚を思いだしました。

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lanachama

3.0北陸が舞台ですが

2024年5月24日
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幸せ

北陸が舞台ですが、どんよりしてなくて暗くならない作品でした。島田は都会にいたら頭がおかしい隣人と思われますが、このアパートには必要なんです。いやいや、不必要な人間なんていないですね。

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ミカ

3.0映画を観る目を養わないといけないと思いました。そして、塩辛ご飯食べたくなりました。

2024年5月19日
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単純

幸せ

吉岡秀隆ご出演ということで鑑賞を決めました。
ですが、アホの私には静かすぎる作品だったです。
何か劇的なことが起きるわけでもなく、淡々と日常が流れるお話だったので。
「エルボーロケット!」バヒューン!とか、「巨大不明生物上陸!」ギャオラァ―ッ!とかを期待するわけもないんですが。当たり前なんですが。
“静の余韻”や“行間の妙”を楽しむには、私の脳髄はキャパ不足だったです。
そんなことを考えさせられた作品でした。映画を観る目を養わなきゃ。

ムロツヨシの奇行的な演技が刺さるかどうかで、評価が変わる作品だと思いました。
私は中間だったかな?
いかにもムロさんっぽいところは、正直冷めて観ていましたが、違ったお芝居をされていたシーンがよかったです。
飲みに行った後でゲロを吐いて泣くところとか。ムロさんの新境地を見たかったです。
演技していることを感じさせない満島ひかりの自然体が、大変素晴らしかったです。
吉岡さんについては、出番をもっとプリーズと思いました。墓石を売って歩くとか面白い設定だっただけに、惜しく思いました。欲を言えば、彼こそ準主人公に据えた作品だった方がよかったと思いました。
吉岡さん大好きですから。←だから!衆道展開とは違いますってば!何度言えば…!←誰も何も一回も言ってないし
そうですよね、何よりも主演の松山さんですよね。
その役柄がどうにも『GANTZ』の加藤と重なって見えて、既出感を覚えてしまったんですよ。
タイトルの『ムコリッタ(牟呼栗多)』これ、ハイツの名前以外の何かに引っ掛けているのかな?と思ったんですが、やはりアホの私にはわかりませんでした。意味を調べてみたんですが、時間の単位で約48分。仏教での気の遠くなるような数の単位に比べてみたら「しばらく」「少しの間」「瞬時」の意味くらいしかわかりませんでした。
妙に耳に残る音楽が奏でられる優しいラストシーンが印象的でした。最後に取ってつけたようなテーマソングなんて不要です。
エンドロールを見て「えっ!」となりました。田中美佐子に薬師丸ひろ子もご出演だったのですね。
不注意にも、どのシーンだか見落としていました。
物語を観終えて思ったことがあるんです。私のお葬式ってあんな感じにしてほしいなぁ…って。涙も墓石も何もいらないです。
ただただ日常の中に、明るく埋めてほしいかな…と思いました。

【オマケ】
恥を晒すのですが。
幼少のころの我が家って本当に赤貧だったです。
ガス代を節約するために、近くの山で母と兄弟で焚き木や松ぼっくりを拾ってきて。それを七輪で燃やして調理してたりする日常だったんですね。
オモチャを買ってもらえる余裕なんてあるはずもなく。
そんな私たち兄弟にとって、近くの不法投棄のゴミの山って宝の山だったんですよ。
そこに行けば、壊れて汚れたゴミとはいえ、運がよければオモチャを手に入れられたから。
壊れたテレビから抜いた真空管が宝物だったりしました。←なんでやねんな(哀)
劇中のゴミ山を見て、そんなことを思い出しました。
とても悲しいけれど、今となっては亡き母とのよい思い出です。

九九の七の段。確かに難しいですよね。語呂が悪い。7×6が咄嗟に出てきません。
そして塩辛で食べるご飯って美味しいですよね。おかず不要でお茶碗三杯はイケます。←食べすぎ!

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野球十兵衛、

3.0KADOKAWAですよ

2024年4月5日
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なんとなくの雰囲気がいい、まさに雰囲気映画。
ごはんが美味しそうなのがとても良いし、
「小さな幸せを見つけるのが上手い人」と自分も過ごしているようで
とても柔らかい気持ちになれる作品だった。

なんだけど、ラストシーンがイマイチだったと思う。
弔いとして「はじまりへの旅」には遠く及ばなかったし、
いろいろ中途半端な画に感じてしまった。
そこまでが良かっただけに、ドヤ顔で滑ってる感じがして残念だった。

んでKADOKAWAですよ。
なるべくなら避けたいけど完全には避けられないやつ。
カネの臭いと切ってもきれないイメージなので
より作品とのギャップが引き立つ形に。

演者のみなさんには最大限の賛辞を送りたい。

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mar

3.5人間の闇を映し出す。

2024年3月24日
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こんな人間がよくもまあこんなに集まったなと。それはご都合上仕方ないということで目を瞑りましょう。最後の葬儀の感じが、この映画全体の雰囲気というか。暗いんだけどほのぼの。闇なんだけどくすりと笑える、的な。それにしても松山ケンイチお風呂のありがたみ、ご飯のありがたみがすごく伝わる演技でうまかったです。

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いつこ

3.5☆☆☆★★ 原作読了済み。ちょっとだけの感想。 荻上監督の描く『フ...

2024年3月15日
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☆☆☆★★

原作読了済み。ちょっとだけの感想。

荻上監督の描く『ファーザー・ウォーター』

(映画『マザー・ウォーター』に関するレビューを少しだけ参照願います)

ネットにて時々見かける「死ぬのを考えた…」とゆう意見。
それに対しての意見として、しばしば用いられるのが、、、

〝 下を見ろ! まだ俺がいる! 〟

…との言葉。

予想通りに(原作を読んでるので)監督の死生観が、良くも悪くも出ているのかな?…と。

主な登場人物

【山田】
父親の顔は知らず、母親からは数万円の手切れ金(ちょっと違うのだが)で捨てられた男。
最早、人生は投げやり。特に「生きたい!」との思いも持たず、「餓死するのもやむなし!」の境地になっていた。
だが、何とか死なずに給料日を迎え、念願の白米にありつけた事で、この世へしっかりと根っこを張る。

【大家の南さん】
美人の未亡人。

この人物像に関して、あくまでも個人的な意見として、勘違いを承知の上で〝 或る昭和の大女優 〟の存在を意識しながら見ていた。

それは『東京物語』の原節子。

『東京物語』の中で原節子は有名な台詞を言う。

「わたし…狡いんです、、、」

当然、監督は観ていない筈がない。
本編中に、満島ひかりは突然「妊婦の腹を見ると蹴りたくなる」…と言う。
原作を読んでいて思わず「何だこれ!」となった瞬間だった。
だが、こうも言っている。

「何故か無性にアイスが食べたくなるの!」

(この台詞だけでいいのに…とも思う)

愛する人はもう帰ってはこない。
この先の長い人生、果たしてアイスを我慢し続ける事が出来るのか?
思わず夜中に旦那さんの《アレ》を使って、、、

満島ひかり=原節子 穿ち過ぎだろうか?

【溝口さん】
半分〝 片足を突っ込む人生 〟を、息子と共に続けている。《いつその時》が来てもおかしくない。
現実に【赤い金魚の話】で思いとどまってもいる。

【ピアニカ少年(溝口さんの息子)】
幼くして【生と死】の狭間を隣り合わせにして行き来しているかの様な存在。
文明の発達によって〝 死んでしまった 〟 まだ使おうとすれば何とかなる物質を守る立場を担っている。

【非常識な隣人の嶋田】
いささか常識に欠ける人物。
…とは言え、現実には常識を知っているからこそ、山田の根っこをこの世に張らせた大事な人物ではある。
そして彼こそ主な出演者の中で、1番《生に対する執着》が強い。
よって、彼の目の前にだけ『蜘蛛の糸』がスルスルと垂れてくる。
この糸こそは、執着の強さの象徴であり、だからこそ彼だけが〝 アレ 〟を見ることが出来ない。

他にも、坊主のガンちゃんは勿論、役所の堤下さん等。《生と死》とを隣り合わせに仕事の生業とする人達がいて。画面には映らないが、川っぺりにはブルーシートを屋根として生活を営んでいる人達もいる。
そんな人達は、、、

〝 確かに川っぺりだけれども、まだ崖っぷちでもない 〟

例え水に流されたとしても、大海原ならばほんのすこしだけ可能性がなくはない。
まだ、ほんのすこしだけだけれど、、、
だから、父親を弔いながら彼等の無事も祈る。

原作を読んだ時に比べて、 作品中には《生と死の狭間感》がより一層感じられた。
…られたのだけれど。原作自体も最後は唐突に終わってしまう為に、「だから何?」…と言った思いは強かった。
本編には、そこに音楽を当て込めているだけに。より不思議な雰囲気を持つのだけれど、何か1つ突き抜けるだけのモノが足りない感じは否めず、最後の最後で一気に迷走してしまった気か、、、

江口のりこ・薬師丸ひろ子・田中美佐子等。見せ場もないのだからちょっと出演した意味があったのか?…とも。

監督曰く 「映画が撮れないから小説を書いてみた」らしいのだけれど。
昨年テレ東で放送された『珈琲いかがでしょう』自体も、全体的に今ひとつだっただけに。ファンとして、今後に少し不安感が募る。

2022年 9月16日 TOHOシネマズ錦糸町オリナス/スクリーン7

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松井の天井直撃ホームラン

5.0ムコリッタ、ささやかな幸せ

2024年3月13日
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白いご飯があれば良いのです。とりあえずは。あとは卵や納豆とか、充分です!ご馳走に見えます!

ご飯を炊けば、隣の人が丼だけ持って尋ねてくる。そんな長屋のような暮らしも良いんです!みんなで、今日を自由に生きていられれば。

私はマンションで暮らしており、安全で快適なんだけども、この映画を思い出すと…マンション暮しは近所づきあいが欠けすぎだ。それは建物の構造もあるだろう。

かわっぺりムコリッタ!別荘として欲しい。この映画は私にとってはファンタジー。

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れい

3.0日曜日の昼間に

2024年3月10日
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のんびりとした中に色々なことが含まれていて、
日曜日の昼間にちょうどいい映画でした。

今日はとても天気が良いので外に出てみようかな。

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トロイメライ

2.0ムロさんだから観ていられました

2024年3月10日
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odeonza