「現実をライト感覚で皮肉った良作」皮膚を売った男 まゆこっちさんの映画レビュー(感想・評価)
現実をライト感覚で皮肉った良作
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シリアの戦禍と文化と人々の日常の同居感が最初のシーンにまず描かれていたなと思った。
結婚前の男女が人前でイチャイチャするのも良くないのかな?彼女は外交官との縁談が来るようなお金持ちで身分の違いからなのか?
そして、電車の中で発した一言が取り返しのつかないような事態に…
なんとか逃げられた緊張感、彼女のお屋敷に行き着いた挙句の高い壁、惨めな感じをそそるボタンを掛け違えたままのシャツ姿の主人公…
個人的に心がギュッと痛かったのは、お母さんとのスカイプ通話のシーン。こんな状況で主人公の人権がどうとか、人身売買だけに視点が向いていたのは私も同じ。
母国がどういう状況で家族の安否を気にしないなんてダメダメです、主人公も私も。
お母さんの脚、これもシリアの現実。
ガセネタ動画でハッピーエンド。
芸術は残るし、芸術家は名声を得たし、主人公は自由だし、主人公の家族にも多額のお金をきちんと払われていたし、彼女も無事に戻ったし。
よくできた作品だと思う。
実は昼間にやっている映画館を探して車で1時間かけて観た。この日この回は私の貸切だったのが残念だったな。
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