「過去の記憶とどのように向き合えばよいか。」林檎とポラロイド JJJJJさんの映画レビュー(感想・評価)
過去の記憶とどのように向き合えばよいか。
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私は主人公が記憶を失ったと思って物語を追っていました。
林檎は記憶を留める為の、カメラは新しい記憶を作る為のアイテム。奥さんを愛していたからこそワンナイトラブした後に林檎は食べられなかったし、写真も撮れなかった。ラストの無心に林檎を齧るシーンは奥さんとの記憶を蘇らせる為の行為。
ストーリーの追い方は様々あるだろうが、最後に行き着くところは皆同じであろう。それまでの道程には無駄がなく、一つ一つのシーンから主人公の人柄も伝わってくる(料理が上手だったり機械いじりもできるので細かいところまで目が届く職人気質だったのだろう。おまけに愛妻家)。仮装パーティやストリップのシーン等、要所で笑わせてくれる遊び心もナイス。ただ、記憶を忘れてる割には皆流暢に喋るし一般的な生活はできるんだなと違和感はありました。
劇場のPRポスターには写真家のコメントが寄せられており、その中に「写真は自分の経験を証明するもの」的な内容のものがありました。普段、写真を撮らない私には刺さるメッセージでした。
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