「まさかのケイト・ブランシェット」ソング・トゥ・ソング kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
まさかのケイト・ブランシェット
新作かと思っていたら、マリック監督としては『名もなき生涯』以前の作品でした。音楽祭の映像や青空を基調とした空間の広角レンズの撮影はとても心地よい。映像と音楽は申し分ないのですが、いかんせんストーリーが何を言いたいのか掴みにくい。
最初はルーニー・マーラの横顔がナタリー・ポートマンと似ているため、どちらなのか分かりづらく、黒子に注目して区別してしまいました。そんな中でマイケル・ファスベンダーとライアン・ゴズリングの微妙な主従関係とマーラと三角関係の恋愛もどきの楽しそうな雰囲気。もう、マーラはゴズリングに譲っちゃう方向に進み、幼稚園教師の夢を掴めないでいたナタリー・ポートマンをナンパしちゃって、4人の物語が中心となる。
それぞれの恋愛感情に加えて親との関係も描かれる。どうしても大物プロデューサーの豪邸が中心となるため、就職難とか貧困が感じられず、ただ呑気に恋愛しているだけでした。そんなストーリーの終盤、なぜここにブランシェット?!と驚き、これが過去の流れなのか、パラレルワールドなのかわかりません(年齢差で反対されたの?)。さらに、ブランシェットがゴズリングから離れていって、マーラと再開(?)するのですが、これも序盤の出会いとは全く違うもの。「見つけてくれたのね」という言葉には単に男女の視点が変わっただけなのか、また同じ恋愛が繰り返されるのか・・・と思ったら、ラストがまた全く新しい世界。
雰囲気に飲まれてしまいがちですが、謎が深まってしまいました(もしかしたら理解できてないのかもしれません)。ミュージシャンのゲスト出演などはファンならば垂涎ものかもしれませんが、イギー・ポップはほんのちょっとだったし、やっぱりパティ・スミスが良かったかなぁ。使用楽曲の多さにもついでに驚きました・・・
ステージで金髪をちょん切ってるおじさん…見覚えあるなぁと思ったら、セイントとかバットマンのヴァル・キルマーだったんですね。私にとってのまさかはこちらでした🤗