「3年も公開見送りになっていた理由がなんとなく解る気がしますがルーニーはとんでもなく美しいです」ソング・トゥ・ソング よねさんの映画レビュー(感想・評価)
3年も公開見送りになっていた理由がなんとなく解る気がしますがルーニーはとんでもなく美しいです
テキサス州オースティン界隈の音楽業界でブイブイ言わしてるプロデューサーと作詞家2人の三角関係を綴る物語。
テレンス・マリック作品はこれが初鑑賞。過去作はどれもそんなに興味をそそられなかったんですが、今回はライアン・ゴスリング、ミヒャエル・ファスベンダーにルーニー・マーラとなると話は別。しかし、年初に観たトレーラーではクリスチャン・ベールが出てたはずなのに一体どこへ???
ということで、評価は・・・これはビミョーですね。正直筋らしきものもほとんどなくて時制もあっちこち飛ぶ。音楽業界の話なのにその辺描写がテキトー。余りに退屈なので観客の3割は途中で出て行きました。ブラジルの観客はシビアなので。
パティ・スミス、イギー・ポップ、ジョニー・ライドン、レッチリとカメオ出演は豪華ですが正直見てくれが妖怪みたいですし、そもそも演技が出来るわけないのでそこだけドキュメンタリーぽくなっててなんかチグハグ。これはちょっとアカンちゃうの?と正直思ったんですが、やっぱり撮影監督のエマニュエル・ルベツキによる映像は圧巻。ほぼ登場人物にべったり寄り添ったカメラが捉えたルーニー・マーラの様々な表情と仕草がそれはもうとんでもなく神々しい透明感、2時間強の間ルーニーとデートしているかのような錯覚に陥る至福の時間となりました。しかしもし主演がナタリー・ポートマンかケイト・ブランシェットだったら私も途中退席してたかも。とにかくカメラが登場人物に寄り過ぎなので女優さん達は相当キツかったのではないかと思います。あの接写に耐える人はそうはいないでしょう。
あと、どうでもいい感じでヴァル・キルマーがバンドのボーカル役で出てますが、ちっともバンドマンに見えません。そこは全部カットして、登場シーンが全カットになってしまったクリスチャン・ベールの登場シーンをワンカットでいいから残して欲しかったです。しかし2017年の作品を今公開ってことはコロナなかりせば公開予定なかったんですかね、巨匠の作品なのに。