劇場公開日 2020年12月4日

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「え、こんな展開になるの!?という意外性が面白い一作」ベター・ウォッチ・アウト クリスマスの侵略者 yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 え、こんな展開になるの!?という意外性が面白い一作

2025年8月17日
PCから投稿

オーストラリア映画は、一見ジャンルに定型的な内容と思わせておいてからの一ひねりがある作品が多いんだけど、本作もその一つ。

クリスマスの夜、ひそかに思いを寄せている年上のベビーシッターと二人っきりになった12歳の少年、という設定と、どうやらホラーらしいという前情報から、ジュブナイル作品の風味が加わったちょっと甘酸っぱい、どころか酸っぱいホラー映画かな、と思っていました。あるいはあからさまにほのめかしがある、某有名アクションコメディ映画の青少年版とか。どっちもクリスマスだし。

それが、え、そうなる!?という急展開を見せる中盤以降、手札がどんどん引っくり返っていくような感覚を味わうことになります。観客の、「この映画はこういう内容だろう」といった先入観をことごとく捉え、それを逆手に取る巧さを堪能する作品でした。監督のクリス・ペッコーヴァー監督は脚本で映画制作の世界に入ったというだけあって、劇場公開作品2作目にしてこの面白さ。その後作品作りが途絶えているのがなんとも残念だけど。

ちょっとでも内容に触れると作品の面白さが半減してしまうので、興味を持った人にはクリスマスシーズンが近づいてきたら鑑賞をお勧めしたいところ。

オーストラリア製作のホラー映画には特に近年は良作が多く、本作の語り口が気に入った人には、『トーク・トゥ・ミー』(2023)や『悪魔と夜ふかし』(2023)などがおすすめ。それと少し前の作品になるけど、『ババドック ~暗闇の魔物~』(2014)も恐ろしくも切なさがある名作で、本作とはちょっと風味は異なるけど、ぜひ。

yui
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