「全てが美しい」エターナルズ 桜さんの映画レビュー(感想・評価)
全てが美しい
アベンジャーズによって救われた世界。
だが、地球は滅亡する運命だった。。。
宇宙には、「人間」、「エターナルズ」、「ディヴィアンツ」の3種類の種族がいて、エターナルズは、7000年もの間、ディヴィアンツから人類を守り続けていた。
だが、エターナルズらを生んだセレスティアルズが、元々地球を終わらせる気でいたという話。
風景、登場人物、世界観、人間関係、そして10人のエターナルズの能力、どれを取ってもとにかく美しい。
各々の愛が錯綜する中、人種や身体障害、同性愛等を色濃く描き、MCUのみならず、映画界に大きな足跡を残したなぁという感想。
とにかくそれぞれの能力がかっこいいし、綺麗だから戦闘シーンも熱中して見られた。
特に好きなのは、ギルガメッシュとセナとセルシの能力。
ギルガメッシュがセナを最後の最後まで守り続け、傍にいたその優しさと強さが、とにかく美しかった。
彼は家族としてセナを愛していて、何百年の間も支え続けていたんだなと思うと、彼の死には感慨深いものがあった。
聴覚障害を持ったマッカリが、障害のお陰で、音速のスピードを出しても耳がやられないという裏設定も好き。
ただ、個人的な「もっとこうだったらな」というのは、エターナルズ全員が現代にて集合し、さながらアベンジャーズのように多数の敵とぶつかり合うシーンが見たかったな。
それと、エイジャックとギルガメッシュの能力を吸収したディヴィアンツとセナが戦うシーンにて、最強の再生と破壊の能力を手にしたディヴィアンツを、こうもあっさり倒せちゃうのかという拍子抜け感があった。
もっとお互いボロボロになりながら、ようやく倒せるという流れを見たかったかな。
ただ、一部の国や地域では、同性愛の描写等をカットしたいという要望を、ディズニー側が断固として拒否し、その地域で上映しないという決断や、ダイバーシティや多様性ゴリゴリの映画を批判覚悟で公開していくその姿勢は、見事としか言いようがないと思う。
確かに、最近のディズニー映画は多様性をこれでもかと見せつけてくる描写が多いが、寧ろ今までの映画全体が避け過ぎていた所でもあるので、世界一の映画会社がそれを率先して世界に見せつけていくことが大事なのだなと思う。
複雑だったーとか、暗かったーみたいな印象の方は、MARVEL見なくていいんじゃないかな。
単体作品としてもめちゃくちゃ面白かったし、これから他のヒーローと交わっていくのが楽しみで仕方がない。
ただ、エンドクレジット後のシーンは、原作を知らないとなんのこっちゃではあると思うので、焦らずとも、しっかり伏線回収してくれると思うので、楽しみにしておくといいと思う。
この映画は映画館で見るべきだよね。
次回作も楽しみです!