「壮大でありながらも繊細さを併せ持つシリーズ全体でも稀有な作品」エターナルズ nazionaleさんの映画レビュー(感想・評価)
壮大でありながらも繊細さを併せ持つシリーズ全体でも稀有な作品
クリックして本文を読む
クロエジャオ監督作品はノマドランドしか見れていないけど、今作でも感じられたのはとにかく表現が詩的。
特に自然界の切り取り方。引き絵を巧みに活用しながらキャラクターの感情とリンクする様に映し出すことでナチュラルにそこへ入り込むことができるし、それによって画面全体の説得力も増しているように感じる。
また社会問題に対して踏み込みながらも説教臭さや押し付けがましさが少なく、あくまで観衆に委ねるに表現されることで、受け手に自然と考えるきっかけを与えてくれる。
で、ありながらもヒーロー作品として不可欠といえるド迫力の戦闘シーンも抜かりがない。エターナルズの面々それぞれが各々の強みを活かしながらディヴィアンツを撃退する場面など見応え十分で、特徴を活用し合いながらの戦いは単にエンターテイメントとして見ても飽きが来ない工夫がなされていたと思う。
エターナルズという作品の持つ壮大さを損なうことなく自らの作家性を盛り込み、それぞれのキャラクターの抱く葛藤や背景も描きあげて見せた。
どうしても原作の持つ性質上ややこしくなってしまうのは避けられないとは思うものの、それらを一つの作品としてまとめ上げた手腕は拍手を送るほかない。
コメントする