「壮大な設定」エターナルズ SP_Hitoshiさんの映画レビュー(感想・評価)
壮大な設定
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面白かった。長くて見応えもある。
この作品で特徴的なのは、かなり多様性を意識しているということ。
10人のエターナルズたちはさまざまな人種だし、同性愛者や障害者もいる。そしてそれらの属性はストーリーにほとんど関係しない。つまり、多様なことは普通なんだよ、ということなんだろう。
あと、設定がとても壮大だということ。
主人公たちは7000年前から人類を影から守り、文明の進歩をうながしてきた、永遠の寿命をもつ存在である。
非常にSF的…。エターナルズの創造主であるセルスティアルズは「幼年期の終わり」のオーバーロードを思わせる。
壮大すぎるSFは神話的だったりするが、人類を守るエターナルズが天使、人類を害するディビィアンツが悪魔としたら、その両者を創ったアリシェムは神ということになる。
アリシェムが人類にとって善い神とはいえないところなど、グノーシス主義を思わせる。アリシェムは人類を導いてきた親のような存在だが、その親の支配から自由になっても良いのか、という深いテーマにつながってくる。
全体的にどこか「サイボーグ009」を連想した。彼らがロボットであること、人の姿で戦うこと、人間的な葛藤をかかえていること、人数が近いこと、多様な属性と性格であること、能力の内容が似ていること、設定が神話を思わせるところなど…。
無理にアベンジャーズの世界とつなげないで単体の作品にすればいいのに…、と思ったが、アベンジャーズの世界の宇宙史を掘り下げる展開になっていくなら、ちょっと面白そう。
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