「パーよくグーを制す。 『カンフーハッスル』かと思いきや『ネバーエンディング・ストーリー』でした。」シャン・チー テン・リングスの伝説 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
パーよくグーを制す。 『カンフーハッスル』かと思いきや『ネバーエンディング・ストーリー』でした。
スーパーヒーローが一堂に会するアメコミアクション映画「MCU」シリーズの第25作。
新たなるヒーロー、シャン・チーの活躍を描く。
○キャスト
キャロル・ダンバース/キャプテン・マーベル…ブリー・ラーソン。
ブルース・バナー/ハルク…マーク・ラファロ。
新たなキャストとして、シャン・チーの親友であるケイティ・チェンを演じるのは『オーシャンズ8』『ジュマンジ/ネクスト・レベル』の、名優オークワフィナ。
ショーンの父親にして犯罪組織「テン・リングス」の首領、シュー・ウェンウーを演じるのは『恋する惑星』『レッドクリフ』シリーズの、名優トニー・レオン。
製作はケビン・ファイギ。
黒人ヒーローや女性ヒーローなど、多様なスーパーヒーロー像を描いてきたMCUに、遂にアジアンヒーローが登場。その名もシャン・チー!!
10本の腕輪を操り闘うナイスガイなのであります。
シャン・チーを演じるのは新進気鋭の中国系カナダ人俳優シム・リウ。
どことなく習近平に似ている、言っちゃ悪いが地味目なお顔。
こんなんでスーパーヒーローを演じられるんかいな?と思っていたが、彼の朴訥な見た目は心優しい男ショーンのキャラクターにピッタリ。
カンフー・アクションもキレッキレで美しく、いつまでも見ていたくなる程の華がある。やはりマーベルの人選に間違いはなかった。これから注目していきたい俳優さんであります👍
さて、肝心の映画の感想ですが…。
う〜〜〜ん…微妙。。。
なんというか、これだけ身体の動く俳優を使っているのにも拘らず、結局CGを多用してしまうのか…と思ってしまいかなりガッカリ😮💨
ケーブルカーの車内や竹で組まれた足場でのカンフーバトルはかなりアガったし、ミシェル・ヨーに「グーよりもパーの方が強いわよ」と指導してもらうシーンにはグッときたのだが、いかんせん後半の妖怪大戦争がショボすぎる🌀
中国由来の神獣たちが住まう世界なのに敵は何故かクトゥルーの怪物ぽかったり、秘境の村ター・ローに生活感が無さすぎてテーマパークにしか見えなかったりと、なんかもう色々と雑というか中途半端というか…。
どうせCGモリモリで映画を作るのであれば、こんな『ネバーエンディング・ストーリー』(1984)のパチモンみたいなものじゃなく、『カンフーハッスル』(2004)の様な純度100%のカンフー映画に仕上げてもらいたかった。
結局のところ、カンフーで闘うアジアンヒーローを描いておきながら、製作陣がカンフーの魅力を信じきれなかったため、これまでのMCUで何度も観てきたような「力を合わせて異形の存在に立ち向かう」というありきたりな映画になってしまったのではないだろうか。
ショーン&ケイティのコンビは非常に魅力的だったし、シャン・チーのバトルスタイルにも華があるのだから、もっと彼らを信用した映画作りをして欲しかった。
なんだか後半からテンションがだだ下がってしまったのだが、アンダーソン・パークのエンディング曲が最高にクールだったのと、エンドクレジットのカラオケシーンがとっても楽しそうだったのでなんとなく満足してしまった。終わり良ければすべて良し!!
色々と不満点を挙げましたが、日本語吹き替えはしょうもないタレント俳優ではなく本職の声優を起用していたし、しょうもない日本語吹替版主題歌もなかったしで、好感の持てる映画でした(それが普通なんだけどね💦)。
次回作があれば、その時はバチバチのカンフー映画を期待します!!
Youさん、コメントありがとうございます♪
吹替版でもバッチリ「かめはめ波」って言ってました😆
キンゴは『幽☆遊☆白書』の霊丸が必殺技でしたし、やはり日本の漫画文化は強いですね〜!