「主役の求心力が弱い」シャン・チー テン・リングスの伝説 デンズモアさんの映画レビュー(感想・評価)
主役の求心力が弱い
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エンドゲームまでは、北欧神話とか西洋の文化を基にキャラが作られていたので、アジア人の視点からすれば完全アウェイな感覚で見られたけれど、カンフーとか剛拳vs柔拳となるとこっちのもの。数多くの文学やアニメで、アジア人の血肉となっているテーマなので自然と厳しい目で見てしまいますね。正直カンフー観はもっともっと掘り下げてほしかった。
その厳しい視点の中での主役だから、シャン・チーにもまた求めるものは大きくなってしまいます。正直「華」というか、パッと見て惹かれる魅力が薄かったですね。顔の造形は個性だと思いますが、とにかく表情に乏しいのが致命的💦 かなり複雑な生い立ちや精神的成長を描いているのに、心の動きが彼の表情からはイマイチ伝わりづらい・・・。
後半、ミシェル・ヨーが出た途端、ぐっとリアルに親族の絆とか悲哀が染み入るように伝わってきたのは、さすがベテラン女優の演技力と思いました。
この先、長いシリーズをこのキャストで続けるハズなのでぜひ頑張って欲しいです。特にマーベルは、感情が複雑に絡んだ人間関係が作品の深みだと思っているので、シム・リウ氏には、仏の笑顔だけではない、深い演技を期待します。
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