「二大エマ対決!ディズニー版「ゴジラ対コング」だな。」クルエラ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
二大エマ対決!ディズニー版「ゴジラ対コング」だな。
①話の組立は「マレフィセント」とよく似ている。今まで悪役だったキャラクターをヒロインにするにはより悪辣な敵役をぶつけること。ディズニーの新しい戦略かな。②こういう映画は敵役・悪役が大物ほど面白い。今回はイギリスの名女優エマ・トンプソンをぶつけてきた。最初エステラの憧れだったトップファッションデザイナーが、その極悪非道な素顔をだんだん表すところが流石に巧い。③エマ・ストーンはごく若いころから演技巧者ではあったが『ラ・ラ・ランド』では正直アカデミー賞を取るほどの演技だったかなと思っていたけれど(言っときますけど、私、彼女の『アロハ』以外全作品を観ているほどのファンです)本作ではバロネスが産みの母だと知り(育ての)母(の替わり)と心で思っている噴水に胸の内を語るシーンではアカデミー賞級の演技を見せた。④彼女の最大の武器は嫌みにならないコメディセンスとどんな役をやっても品が失わないこと。これが彼女を同世代の女優たちの中で頭ひとつ抜きんじさせている要因だと思う。スター女優として欠かせないものである。それはこの映画でも十分に発揮されているし映画の魅力にも貢献している。エマ・トンプソンを相手にしても貫禄負けしないスケールも身につけてきた。⑤低能なアメリカ白人を演じさせたら右に出るもののないポール・ウォルター・ハウザーがここではコメディーリリーフを達者に演じて器用な面を見せてくれる。彼の英語がイギリス英語のなかではどう聞こえるか少し心配だったけど。⑥マーク・ストロングも珍しく小さな役か、と思っていたらやっぱりの展開。⑦監督はあの人を喰った「アイ、トーニャ」の監督。なるほど。⑧ただ、どこがヴィランの誕生秘話なの?と思っちゃいましたけど。