「デ・パルマ監督の大傑作!」キャリー(1976) たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)
デ・パルマ監督の大傑作!
ブライアン・デ・パルマ監督の大傑作のひとつ。
初めて、この映画を映画館(池袋・文芸坐)で観た時(1980年5月)には、劇場にいた観客たちと悲鳴を上げたのだが、良き思い出。
その後リピート作品となっているが、本日は「Blu-ray(FULL HD 1080P)」で鑑賞、相変わらず素晴らしい映画🎥✨
高校生の女子がバレーボールをしている場面から始まり、キャリー(シシー・スペイセク)がいじめられているのが分かる。
続いて、スローモーションで女子更衣室の着替えシーン。(初見時からヘア解禁されるまではボカシ入りで観ていた)
この場面では当時無名の女優ばかりだったのに脱ぐのを嫌がったそうだが、この場面よりも先に撮った「シシー・スペイセクがシャワーを浴びるシーンで全裸になった」ものだから、更衣室でも無名女優たちの何人かは素っ裸。その中にはナンシー・アレンも。
そしてキャリーがいじめられているのを助ける女性教師コリンズ先生。キャリーをいじめた女子生徒たちに居残りの体操などをさせる。
助けようとしているものの、スー(エイミー・アーヴィング)がプロムの相手=トミー・ロス(ウィリアム・カット)をキャリーに譲ると、2人を呼んで「なぜキャリーに譲ったのか?」を執拗に問いただす。
そして、本作で忘れてはならない熱演をしているのが、キャリーの母親を演じたパイパー・ローリーであり、ほとんど引退状態だった彼女にデ・パルマがオファーして、狂気に満ちた迫真の演技を見せた。そのため、アカデミー助演女優賞にノミネート。
彼女の姿が、キリストの姿に……というあたりは素晴らしい。
そして、プロムが始まって、ものすごいシーンが始まる😲‼️
自分は「この惨劇シーンは、スプリット・スクリーンが素晴らしかった」と思っていたが、本ディスクの特典映像でデ・パルマは「自分としてはスプリット・スクリーンは失敗だった気がして、いくつかの場面をカットした」とおっしゃっている。
なんと勿体ない。カットした場面は見られないのだろうな……(^^;
そして極めつけは、原作者のスティーヴン・キングが「原作小説で使えばよかった!」と言ったラストシーン。
エイミー・アーヴィングの母親役を演じたのは、彼女の本当の母親だったのでイイ雰囲気が出ていたと思う。
また、自転車少年がキャリーにちょっかいを出して転がされるシーンの少年は、デ・パルマ監督の実の甥。
カメラワーク、スローモーション、スプリット・スクリーン、金属音の効果などなど、様々な映画的シーンが素晴らしい。
プロムでウィリアム・カットとシシー・スペイセクが踊るシーンは延々と回転シーンだが、この撮影ショットは特典映像で見られる。デ・パルマ監督は「あんなに回された俳優がめまいなど気持ち悪くならなかったのだろうか?」などと発言している😁
当時は無名俳優だった出演者たちは、『キャリー』と『スターウォーズ』の合同オーディションに集まった人たちから選ばれたものであり、ナンシー・アレンなどはオーディション最終日にオーディションに出てみたら大事な役に選ばれたラッキー女優である。
本当に、このデ・パルマ作品、何度観ても大傑作‼️✨✨✨