サマーフィルムにのってのレビュー・感想・評価
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シンプルだけど、テンポ良くて、目が離せなくて、アツくて、笑って、泣けて、清々しい、、、幸せな気分になる映画
本年ここまでで一番の掘り出しものの映画。 いやあ、良い時間でした。
低予算でもいい作品は作れる、というお手本のような映画。
・冒頭で「大好きってしか言えねーじゃん!」というお題がでたときは「しまった!スクリーン間違えたか!」と焦ったわ。。
・ビート板が読んでいた小説「時かけ」は、伏線だったのね。。ふむ。
・凛太朗とダディボーイ、最初は侍の姿が違和感ありありで動きもぎこちなかったのが、途中から堂々とした立ち姿で、剣さばきもめっちゃかっこよく、まるで新選組の隊士のように。このギャップの表現はすごかった。
・凛太朗の侍姿のアップも(白黒ということもあってか)とても凛々しくてびっくり。これまた普段着のときとのギャップが凄い!
・そしてなんといってもハダシ。いい味だしてる! この映画のいい雰囲気はこの娘の味があってこそ! 本当にこの娘は元乃木坂なのかと思うほど演技力がアイドル離れしていて素晴らしい。
・ビート板の親友を思う気持ちと人知れぬ恋、ブルーハワイの凛とした強さと乙女な透明感、いけすかない感じのライバルにみえて単純にいい奴だった花鈴、高校生の友情や男子のアホさをそこはかとなく表現した音声係の野球部・照明係のヤンキー・そしてダディボーイ。みんな素晴らしい演技でした。高校生の友情ってこんな感じだったなあ、楽しかったなあと思いだした。。
パンフレットでこの映画の松本監督が言っていた。
「キラキラを否定していた子たちが、最後は壁ドンする」
まさに!
クライマックスのウルトラC的展開に心が浄化
今年観た映画で、もしかすると一番心を揺さぶられたんじゃないか。クライマックスで生じるとんでもない飛躍と、ああ、こういう無茶を押し通すエモーションのために自分は映画を観ているのだなあという悦び。飛び道具のような強引さをアリにしてしまう、若い役者たちの本気の佇まい。わけもわからず涙ぐみ、エンドクレジットが終わっても余韻がずっと続くような映画だった。
ただ、主に笑いの取り方に関する演出や演技はいささか陳腐だと思うし、正直、映画を観ている8割くらいの時間は「肌に合わないものを観に来てしまった」と後悔すらしそうになった。それでもハダシやビート板やブルーハワイ(このネーミング最高だな)のキャラの高感度まで終盤まで付き合った感はあったのだが、それもすべて報われるくらいのウルトラCだった。
もちろんこのラストから逆算して作られてるのは明らかだと思うので、まんまと作り手に乗せられて、気持ちよく降参しました。われながらチョロいなとも思けれど、粗を超えてくる映画は時に完璧な映画よりも強い。
最高、最強のヒロインというほかない
青春というある意味、瑞々しくも理解しがたい衝動と鬱屈と戸惑い渦巻く多感な季節を、圧倒的なエネルギーと登場人物の魅力で爽快に走り抜けた映画だ。その冒頭、少女らが時代劇の魅力を語る時、または勝新さながらの大立ち回りを披露する時、そこにほとばしるのは単なる映画好きの女子高生の域を遥かに超えた魂の躍動だ。ここでまず笑いながら心が震えた。ビデオテープという文明の化石よって受け継がれた確かな影響がありつつ、自分がまだ何者であるかを知らない少女たちのがむしゃらな現在地が刻まれ、さらに思わぬ形でこの映画は未来へ向けて想いを羽ばたかせながら必死に進む。川辺の秘密基地はまさに膨大な思いと時の流れが結びつく最高の場所。様々な名作が頭の中を次々によぎるも、このヒロインの一挙手一投足と堰を切ったような口上、メインストリームへむけた鋭い目線と、全てを超えたひと夏の成長に射抜かれた。最高、最強のヒロインというほかない。
「女子高生×時代劇フェチ」という斬新な設定が効いて、低予算映画でも脚本と演出と演技が揃っていれば、これだけの名作に!
まず、キャストはほとんど知らないですし、スタッフも現時点で私は認知していません。
ただ、何か引っかかって見てみたら、「当たり」でした。
評価の点数は難しいですが、【低予算映画】という括りであれば間違いなく★5ですし、映画全体で見ても、いくら低予算映画とは言え、この発想と構成の斬新さは代えがたいものがあり、★4.5くらいはあげたくなります。
何と言っても、地味な雰囲気のヒロイン「ハダシ」の個性が弾けていて魅力的でした。
勝新太郎の演技を見て「勝進が尊すぎて~」という序盤のセリフでやられました(笑)。
仲良しの「ビート板」と「ブルーハワイ」と一緒に、「座頭市」をDVDで見ながら、
「勝新ってさ、気配の感じ方と色気が半端ないんだよね」、「しぐさ見放題!」等、会話が理解できない領域に。
ただ、この「理解できなさ」は、彼女らが突飛なわけではなく、単に私のセンスがそこまで行きついていないだけだとすぐに分かるのです。
このように時代劇の良さを「女子高生×時代劇フェチ」という斬新な設定により再発見させてくれるのは流石ですし、しかも、どのシーンも無駄がなく面白い!
「カメラを止めるな!」のようにネタバレ禁止的な設定なので、気になる人は、とにかくまずは見てみてください。
きっとこの先、彼ら(スタッフ、キャスト)の中から優れた「才能」が、より世に羽ばたいていくんだろうな、と思わせてくれる名作でした。
“アイドル主演作”という先入観で敬遠してはもったいない
アイドルグループの界隈にあまり詳しくないので、伊藤万理華という存在を認識したのはまず7月に始まったドラマ「お耳に合いましたら。」。そして本作を試写で鑑賞した際に資料を見て、かつて「乃木坂46」のメンバーだったのだと知った。ドラマのエンディングではマリオネット風の動きを取り入れたキュートなダンスを披露しているが、こちらの映画「サマーフィルムにのって」では身体を使った表現があまりないな…と思っていたら、終盤の掃除道具を使った殺陣で大爆発!
率直に言って、設定が多すぎる企画ではある。「座頭市」が代表作の往年の名優・勝新太郎を敬愛する女子高生。彼女が仲間と時代劇映画を撮影する。彼女がイメージする主演俳優にぴったりのイケメン男子がなぜか未来からやって来て、映画に出ることに。下手したら設定過多な絵空事に終わるリスクもあった企画に、伊藤万理華のアイドルらしからぬ身体性が命を吹き込んだ。
甘ったるい青春恋愛物を撮影しているのが映画部内で人気者の美少女部長で、伊藤万理華演じるハダシが地味目の時代劇オタクというコントラストも、ひねりが効いていて楽しい。タイムトラベル要素の軽い扱い方も、今どきだと感じた。
映画がスクリーンを通して今と過去をつなぐ
映画作り、時代劇へのリスペクト、高校生の恋と友情、そしてSFといった要素を見事にシンクロさせ、映画愛に溢れた痛快で、爽快な青春映画が誕生した。主人公が時代劇オタクの女子高生という設定が秀逸なのだが、彼女が敬愛する勝新太郎演じる「座頭市」などの名シーンや当時のポスターなどが映し出されると、映画好きの心はくすぐられてしまう。
さらに本映画内(劇中)で彼女が名作へのリスペクトを込めて作る時代劇と対比して、彼女が所属する映画部のライバルらによってキラキラ恋愛映画も同時に作られていくという二重三重の映画内映画の構造、映画作りあるあるが散りばめられ面白い。時代劇作りに集まる仲間が“七人”というのも心憎い。
そして、本作を新時代の青春映画として輝かせているのは、主人公の女子高生ハダシを演じた伊藤万理華の魅力だ。元「乃木坂46」のアイドルで、卒業後は女優としてドラマ、映画、舞台に出演し、きらりと光る存在感を放ってきた。本作では、ハダシを演じるために猫背でがに股、白目まで披露して勝新を真似た殺陣にも挑戦するなど、小柄な彼女の独特な動きやセリフ回しが物語に不思議な説得力、躍動感を与え、役者としての新境地を切り開いている。
なるほど「七人の侍」なんだね。
時代劇を観る人なら楽しいであろう
2021年に戻れたらまずこの映画を見るように教えないと
俺的に映画監督はたいしたことしてないくせに威張っているNo.3です
No.2が指揮者でNo.1がうちの部長ですね関係ないけど
みんないい人で一生懸命で感動しました
未来人はモテるんですね
だから未来から来る話しが多いんかな
今年人気だった侍タイムスリッパーは過去から来る話やったな珍しいのかな
むさいおっさんばかり出てて見てないけど見てみるか
夢と憧れが織りなす、青春時代の初期衝動
私は子供の頃、プロレスラーに憧れていた。
プロレスごっこから始まり、ランドセルをキックミットの様に見立て蹴り続けてた。
そして中学生になり柔道部に所属して一生懸命練習した。もう、35年前になるので水は飲むな、休むな、根性だ。そんな時代であった。
厳しい練習の合間にギタリストにも憧れた。
柔道部の厳しい練習の反動からか、かなり対極なハードロックのギタリストがかっこよく見えて、私は虜になった。
ギターも無く、音楽知識もない。
そんな事どうでもよく、とりあえず音楽に合わせてホウキを持って弾いてる真似をした。
髪を逆立て、空き缶を並べてドラマーの真似もした。
馬鹿馬鹿しいと思うなかれ、これが青春の初期衝動だ。
生きる原動力となり、それが青春の1ページとなる。
本作は時代劇オタクの女子高生が時代劇制作に挑む青春ストーリー。
ハダシが座頭市の真似をしたり、映画制作に躍起する姿は初期衝動そのもの。
ビート板やブルーハワイとの友情や倫太郎との恋愛感情も青春時代ならではの関係性を描いている。
青春コメディストーリーであるが、青春の初期衝動がその後の人生を支える。
そんな大切なメッセージとエネルギーがこの映画には満ち溢れていた。
映画部なんていいね。
青春の煮込み映画NO1
高校の映画部っていいね。
Netflixで配信され、俄然観たくなったので鑑賞。ちょっと変わった青春映画でしたが、出演してる若手の皆さんがとてもイキイキとしていて楽しく観れました。不埒な高校生とか説教くさい先生とかが1人も出てこないのが良い。映画大好き(しかも時代劇)の主人公と天文部(河合優実が初々しい)と剣道部の仲良しトリオのいい感じの雰囲気を見てるとほんわかしてきます。
どうしても作りたかった映画の主役の男子が実はタイムトラベラーと知った時、皆があっさり受け入れるところは先日まで放映していた「ホットスポット」を思い出しました。宇宙人も未来人も超能力者も普通に生活していればお友達です。
この映画は1時間半なので比較的短いですが、未来では1分位の動画はもはや長編扱いとか、既に今でもYouTubeやTikTokばっかり見てて映画館なんか行ったこともない人々が増えてるんだからしょうがないとか思いますが、。
そして、未来に映画を遺すことを託し映画上映をラストで止めて、ラストシーンをリアルで演じる場面はちょっと感動もの。ラストショットも決まってました。
この映画も未来に残し、未来の人々にも観てもらいたいですね。
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