「EVERYONE IS WATCHING YOU」激怒 jinminさんの映画レビュー(感想・評価)
EVERYONE IS WATCHING YOU
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自由や平等、人権の尊重といった公正・公平な正義は忌避され、普通の日本人(マジョリティ)の平穏や安心に寄与する通俗道徳やマナーばかりが優先される。そして不当や不正への怒りは「平穏」のためにトーンポリシングされ、懸命な人がメタ位置からどっちと認定する。そうした日本社会の病理を戯画化した秀作。
自警団を結成し、街の平穏を乱すものをリンチし虐殺するさまからは、時期的な事もあり、震災下で同じように町内会の自警団が起こした朝鮮人虐殺を想起させられた。
「BIGBROTHER IS WATCHING YOU」を日本的マヌケさで秀逸に翻案した「みんなが見てるよ!」のポスターに監視されるディストピアで、ルドヴィコ療法よろしくアンガーマネジメントされた主人公が「怒り」を取り戻す話。
いろいろ瑕疵はあるけど、知恵と工夫と初期衝動にあふれていて面白かった。
殴りすぎて突き出た骨さえ武器にするところや、人体破壊にがっつりウェイトをかけているところ、主人公たちの歯がちゃんと汚いのもよかった。
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