「傷ついた者同士が育む信頼関係は男女の愛になりえるのか」この世界に残されて kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
傷ついた者同士が育む信頼関係は男女の愛になりえるのか
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第二次世界大戦後のハンガリーが舞台。ナチスに虐殺されたハンガリーのユダヤ人もたくさんいるという状況を知っておかないと。そしてその後スターリンのソ連の影響下に入るということも。で、本作は生理不順で診察に来た少女と婦人科医師の物語。
共同生活をすることになった2人が、絆を深めていくのだが、その関係性がとっても危うい。周りが怪しむ気持ちもわからないではない。そしてお互いにとってかけがえのない存在になっていくという流れ。2人が一線を越えることはない。アルドは再婚相手を探し、クララは自分を好いてくれる若者を選んでいく。
あー、結局そうなったんだなと思ってたら、最後スターリンが死んだというニュースを聞いた2人の態度!共産党の厳しい監視から逃れるためにお互い違う相手とくっついた的な雰囲気を醸し出しながら穏やかに終わっていく。なんて終わり方。地味に美しい愛を描いていながらなかなか強烈な終わり方を見せてくれた。
ただし話に大きな展開がないので若干退屈なのは否めない。
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kenshuchuさんのコメント
2022年9月30日
リカさん
コメントありがとうございます。
やはりクララを諦めたことを後悔したんだと思います。
その展開があるからそれなりに面白かったと言えるのでしょう。
りかさんのコメント
2022年9月26日
kenshuthuさん、初めまして、
レビューを拝見してスターリン死亡のニュースの後、アルドは洗面室に行きクララが一応声かけして入れ替わります。クララは屈託無いですが、アルドが洗面室の扉を背中にして立っていた時のあの表情、後悔しきりの表情でした。友人の医師が党員となり自分を監視。クララを巻き込まない為に諦めた、その事を後悔しての表情、となるのですね。やっぱりアルドはクララと居たかったのですね?