「あのお方って角川の社長?」妖怪大戦争 ガーディアンズ Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
あのお方って角川の社長?
妖怪大戦争
もともとは「映画は大映」大映映画の
妖怪シリーズの一作として大映持ち前の
撮影技術を存分に生かした特撮で人気を博しました
それを2005年に妖怪と言えば水木しげる先生や
荒俣宏氏の監修も得て当時子役だった神木隆之介主演
三池崇史監督で製作されこれもヒット
今作はその2005年度版のリメイクと
いったところでしょうか
監督や一部キャストは据置されています
主演は寺田心となりました
で感想ですが
前半は主要な妖怪のキャラも立ってる感じで
なかなか面白そうに感じていたのですが
うおおおおおおーっ!ああああああーっ!
絶叫を繰り返す寺田心の貧相なリアクションに
だんだんイライラが積み重なり
132分もあるのに終盤はまとめきれなくなって
突然歌い出してごまかしだすわ設定を放り投げるわ
それでいて続編を匂わす伏線を出して終わるなど
すっかりダメ邦画の典型的な終わり方でした
映画説明や設定がメチャクチャすぎます
妖怪獣がどーんと登場した後で主人公が学校の
先生から日本大陸が東西に分かれていた理由等を
説明されるのですがそれが妖怪獣の説明になってる
ようなんですが全然一般論にしか聞こえません
主人公は平安時代の妖怪退治の専門家渡辺綱(わたなべのつな)
の末裔で兄(けい)弟(だい)という逆キラキラネーム
明らかに兄がくじを引いたから妖怪が会いにきたのに
くじを持って兄を追いかけてきた弟が末裔だとか言い出して
弟を連れていきます
この時点で???となります
兄は追いかけると狐面の女が突然度胸があるのかとか
聞いてきて不安定な足場を渡ってこいと
度胸試しをしますが兄は落ちますが
なんかそのまま話が進んでいったり
だんだん展開が雑になっていくのです
でとにかく前述しましたが寺田心の演技がひどい
おおおおーっ!とかああああああーっ!ってのを
あの独特の高い声でやるんですがまぁーイラッとくる
この子あんまり知らなかったんだけどもう13歳なんですね
見た目小さいけどしっかりしてるキャラを演じる
には最適かもしれませんがなんというか全然ダメ
なまじっか2005年の神木隆之介が神がかった
演じだっただけに比較しちゃいます
まぁ弟の演技もアレだったんで単純に
OK出してる大人側の問題もありそうですが
話が進むにつれてキャラや設定の杜撰さも
どんどんボロが出てきます
大沢たかおが演じる隠神刑部
狸を引き連れてアメリカンバイク乗りつけ
ド派手に登場してくる割には妖怪獣の邪魔するな
だけ言って去って行くしヤマ場ではいきなり歌い
始めるし意味が判りません
杉咲花がやる狐面の妖怪も名前を呼ばれたら
妖怪の力が弱まると自分で言っておいて
自分でキツネさんと言われて返事をして弱体化
バカですか?
そのあと弱体化したまま九尾の狐になって
力を発揮するのですがその時の表情を延々と
映すシーンも妙に長いし不気味なんで何が
やりたいのかわからない
天邪鬼も「本心の反対の事を言う」という
設定があるのですがだんだん普通に
本音言ってたりグダグダです
前半は良かったんじゃなくて雑な扱いが
後半までもたずにボロが出てきている
だけかもしれません
そもそも弟を生け贄にしないと
魔神様が復活しないとかあれだけ
言っておきながら別に必要なかったとか
そんなんばっかり
あとこれは個人的な印象ですが
三池監督の作品って全体の70-80%くらいのとこで
話を投げ出して急にいい加減になるとこあると思います
「Dead or Alive」の結末が急にドラゴンボールになった
やつとか(まあアレはもうネタ化してますが)
これが完全に炸裂した感じです
戦っちゃいけないみたいな最後をやりたいなら
鬼を助けるシーンを最後にもってこれば良いのに
蛇足感ありありでした
あと兄の長ダサい鎧の額の部分に「TSUNA」と
書いてあるのですが光の加減でずっと「UNA」
にしか見えません
あの方あのお方とか先生役で出てきた神木隆之介が
貼って終わっていきますがそんな事より
今作をもっとちゃんとまとめろよと思って
しまいます
コケてるんだかなんだかわかりませんが
こんなんでも続編が出来ていくならあの方ってのは
角川の社長なんでしょうね