NETFLIX 世界征服の野望のレビュー・感想・評価
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創業期のお話。
タイトルが仰々しいですが、主にネトフリの創業期に焦点を当てたドキュメンタリー。私は映画を見るまで知らなかったのですが、Netflixというのは、もともとはDVDのレンタル屋だったんですね。
創業時はレンタルとセルを一緒に始めたが、売り上げの99%がセルだったそうです。でも、セルだといずれ大手が参入すれば負けると思い、セルを捨てて、新しくサブスクでのレンタルを選んだそうです。創業期で売上の殆どの事業を見切るって、すごい決断、
日本ではあまり聞かないサービスですが、①ネットで見たい作品をリスト化してオーダーする、②DVDが送られてくる、③送り返すと次がくる、というサービスをサブスクで延滞料はなし。これで成長したそうです。
レンタル時代にもオリジナル作品というのがあったそうです。この話は面白かった。当時、ビル・クリントン大統領の不倫問題が大流行り。このクリントンの不倫関連の声明や記者会見を編集したDVDを作ったそうです。これが結構、注文が入り、大慌てで製作。
編集したマスターをプレス屋に回して焼き回した際に、プレス屋の手違いで、中国のポルノフィルムと入れ違いで納品された。チェックもせずに発送したら、苦情の嵐。
「クリントンに不倫記者会見集を頼んだら、中国のポルノが送られてきた!」という苦情に、初めは「そんなアホな」とチェックしたら、、、あちゃーってなったそうです。
「まあ、どっちも同じようなものか」というオチが笑えます。
その後、ドットコムバブルの崩壊で、資金も底をうち、店舗型のブロックバスターに50百万ドルで身売りしようとしたが、ブロックバスターが断ったそうです。いまでは、ブロックバスターの方が倒産しているので、ビジネスの世界は一寸先は闇ですね。
途中でNetflixを去った人たちや、創業期にライバルだったブロックバスターの人たちの話が中心なので、レンタル時代がメイン、ネット配信からコンテンツ製作のあたりはあっさりです。
業界の盟主となるNetflixの成長物語。
ちょっと興味があった作品なので観賞しました。
で、感想はと言うと、面白かったと言うよりも観応えがあって、CSなんかでやってるドキュメンタリー番組そのまんまと言った感じですかね。
Netflix関係者、もしくは映画関係者、映像配信系の仕事をしている人や起業家の方なら楽しめるのではないかと。
今や配信業界で頂点に君臨する(個人的見解)Netflixの創業から現在に至る迄を描かれていて、大まかに分けると全部で全三章を分かれます。
創業時にレンタルビデオでの宅配に目を付け、当時の巨大起業「ブロックバスター」との戦いは観応えあり。
どの、業種においてもそうですが、新しい芽が出ようとする時は先人が大きな壁となって立ちはだかる。
ブロックバスターと言う言葉は安価で販売する映像ソフトの意味合いでの単語は知ってましたが、ブロックバスターと言うレンタルビデオの会社があったのは知りませんでした。
当時、圧倒的シェアを誇っていた企業で日本で言う所の今の「TSUTAYA」みたいなものですかね。
そんなブロックバスターの隙間を突く様な感じで対抗しますが、当時の業界の巨人にはNetflixは気にはなっても、周囲をチョロチョロと動くネズミみたいに写ったんでしょうねw
でも、Netflixが創業した当時は映像業界に様々な変革があり、ビデオ→DVD→映像データに移行した事も追い風になってる。
こういった背景も功を奏したかと思いますが、なによりも先見の明を持ち、チャレンジしていった結果かなと。
日本でも様々な映像での新規参入企業がいろんな試みをやってて「もう少し早くにやってれば」「そんなの需要あるの?」と言うのはわんさかあったけど、いろんなタイミングと少しの運で物にしてるのは大きな情熱なんですよね。
それがこの作品からヒシヒシと伝わってきます。
Netflixがブロックバスターを凌駕するまでは結構観応えがあるんですが、その後は業界の盟主となったNetflixの様々な試みは多くの方が周知の通り。
特にオリジナル作品の製作は結構ビックリ。
それがアカデミー賞を席巻する訳ですから、凄いもんですわ。
個人的にはNetflixで配信と劇場公開が同時でも、映画は劇場で観たいタイプなので「別に配信でいいや~」とはならない。
普通に考えると劇場公開側にはマイナスしか無い感じですが、そういった垣根も障害も乗り越えるのは情熱なんですよね。
個人的には世界で席巻出来るコンテンツにはアニメーションはかなり強力かと思うのでNetflixオリジナル製作の「攻殻機動隊」や「スプリガン」も紹介して欲しかったかな。
Netflixが大成する物語ではありますが、裏を返せばブロックバスターの衰退の物語も描いています。
今から見れば、レンタルビデオと言うシステムはかなりアナログと言う感じに映るし、いろんな穴もある様に感じる。
延滞料金で稼いでいるなんて話も聞いた事がありますが、冷静に考えればかなりダークな話ですw
でも、当時はワクワクしたし、レンタルビデオ屋で新作や面白そうな作品を探す楽しみはありました。
個人店も沢山あって、品揃えに差があったので、それも店舗ごとに探す創意工夫もしてました。
なので、TSUTAYAみたいな巨大チェーン店が出た時は結構衝撃でしたね。
そんな事も思い返せば、良い思い出です♪
映画作品と言うよりもCSのドキュメンタリー作品的な側面の方が強いので観る人を選びますが、結構楽しめました。
Netflix大好きっ子の方は如何でしょうかw
Netflix社の歴史
かれこれ加入して5年くらい経つのかな。Netflixが日本でサービスを開始して今まで継続して加入しているネトフリユーザーだが、Netflixの歴史は殆ど知らなかった。
タイトルの世界征服の野望というワードからこれからどういう展開していくのかといった先の事やこれまでの成長の秘密の裏側みたいな事を詳細に描いていく作品なのかなと思ったが、それよりはNetflix社の歴史をおさらいできる作品だったように感じた。これはこれでNetflix社の歴史を知らない僕には楽しい時間となった。
何より驚いたのが元はレンタルビデオ会社からのスタートだということ。そこからDVDレンタルに変えたり、宅配レンタルを経て今に至る。日本でいうところのTSUTAYAみたいな存在だったわけだ。それが今は自社で作品を作り世界規模の会社にまで上り詰めるわけだから流石の一言である。
この配信動画サイトいうのは日本ではまだまだメジャーな分野ではないようにも思える。それは当初アメリカ国内でもその空気はあったようだ。
ただ元々レンタルビデオ会社ということもあってアメリカ国民から広く知られ愛着のある会社であったから他国よりかはスムーズに受け入れられたのも一つの要因ではあるが、映画スター、監督たちがNetflix、そして配信動画サイトの存在への肯定的な声明が多く出たのも国民の心を掴んだ事がこの作品で分かる。
とある監督の言葉で、こういったサイトのおかげで今まで知らなかった世界のいろんな作品に触れる事ができるのはとても幸せな事である。同時に自分たちがこれから作る事へのプレッシャーにもなるといったニュアンスの言葉があった。これは僕たち利用者側にも同じメリットを得られるだろう。映画館で扱える作品には限りがある。これまで映画館で見れなかった世界中に存在する数ある名作に触れることができ、そして一流の監督達が刺激されればより良い作品をまた見る事ができるわけだ。
日本ではまだまだNetflix独自の日本作品などは数少ない。まだまだメジャーな文化とは言い難いが、Netflixそして配信動画サイトに抵抗ある人は是非見て欲しい作品である。
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