「後もう一歩」ポプラン いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
後もう一歩
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と思うのは、あの"カメ止め"を作った監督だからご自身でも重々状況把握はしている筈。ということは、敢えてこの薄味な作劇に調理したのか、それとも配給会社からの圧力だったのか、何れにせよ中途半端感は否めないことは確かである。上映時間が短いというのも手伝って、登場人物達のバックボーンの薄さがそのまま如実に出ている。ただ、元々こういう脚本演出ならば、ストーリーはバッドエンドの方が印象深くなるのではないだろうか?
テレビ局製作の映画みたいな、二次使用としてのテレビ放映に耐えうる内容にしたいと何かしらの力が動いたのならば致し方ないが・・・
それだけアイデアは群を抜いて面白く、寧ろSFとしての発明に近い。星新一並のアイデアと言っても過言ではないと個人的に思う。迷惑を掛けた人達への侘び行脚は、成功者に嫉妬する観客達(自分も含めて)胸がスッとするのだが、これも又薄味。ラスト前の"ポプラン"を装着した際の苦痛さを表現するものとして、白髪化するのかと思いきや、会社に戻った主人公はスッキリ度が増しているし・・・
続き物として、今度は女性が・・・・、なんて書くとセクハラになるので、止めときますw
伏線張り(わざと虫取り編みを二つにするアイデアや、自分が一番心に響いた言葉に引寄せられるポプランの行動)等々、随所にアイデアを盛り込んだストーリー運びなだけに、浅瀬で遊んでしまった感が印象に残ってしまった作品である。
まぁ、それでも上田監督は今後も邦画界に必要な人だと信じているのは変わらない。
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