「あくまでも由宇子の天秤」由宇子の天秤 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
あくまでも由宇子の天秤
正しさが何なのかではなく、あくまでも由宇子(瀧内公美)の天秤。
正義を貫こうということではなく、
あくまでも由宇子がどうしたいか、だと思います。
正しいかどうかではなく、由宇子にとってどうか?です。
それは、冒頭からのドキュメンタリー然り、
父親のやらかし然り、だと思うんです。
でも、父親が本当にやらかしているかはわからない。
でも、事実として萌(河合優実)と性交渉したのは間違いない。
だから萌の父親にそのことを告げる。
事実ははっきりしているから伝えたかったんでしょうね。
由宇子に裏切られた感のある萌。
でも、事実はわからないんですよね。
というわけで、あくまでも由宇子の天秤にフォーカスした
物語の紡ぎ方に唸らされましたね。
天秤といえば、昨年末に視聴した『陪審員2番』を思い出しました。
必ずしも正しさが重いわけではないというのが共通していると思いました。
瀧内公美の演技が素晴らしいですし、
この頃から河合優実はすごかったんだなと。
あらためて俳優の演技が素晴らしいからこその本作のクオリティだと感じました。
152分の作品ですが、長く感じませんでした。
こういう邦画がもっと観たいです。
実に余韻たなびき記憶に残る良作だと思います。
コメントする